トレンド転換後の底打ち準備中(6545 インターネット・インフィニティ)
長期のトレンド転換
上場後、大きく2波動を描き2018年1月に最高値をつけた後、今年5月の戻りから下落を続けていた株価がトレンド転換してきました。
以下は、6月からの下落を拡大した日足チャートです。
テクニカル理論に対して適合性が高いので経過と今後を分析していきます。
1.
まず、トレンドラインの観点から見ると、最初の下げで5月31日の最高値を起点として、6月19日高値を通過するトレンドライン①が引けます。
しかし、これはすぐに割り込み転換とはなりませんでした。
次に7月10日高値を通過するトレンドライン②が出現し、7月19日に転換しました。
ここで注意しなければならないのは、「トレンド転換はその下降トレンドが終焉したことを意味する」だけであり、必ずしも上昇を示唆するものではありません。
転換後の株価は横ばい、もしくは上昇のどちらかの方向に動くことになります。
そして、株価は上昇することなく横ばいに推移した後に、徐々に下がりトレンドラインの基準となる安値を割り込みました。
これによりトレンドライン②は消滅し、新たにトレンドライン③が出現しました。
その後、6月25日安値のサポートレベルラインAを割り込み、大きく窓を空けて急落しました。
2.
急落後、軽くリバウンドしたもののしばらく保合いが続きます。
株価が急落した場合、急落によるボラティリティが下がるまで、通常は日柄経過を経て次の動きが形成されていきます。
その場合、急落時の最安値が「大底」になるかどうかを、まず確認することが重要です。
急落後に株価はどこかでリバウンドして上昇します。
これは上昇というより「戻り」と表現した方が分かりやすいと思います。
この戻りは一時的なもので、ある程度戻すと株価は底を探るため再び下がり始めます。
(そのまま急騰してスパイクボトムになるケースはあまりありません)
そして、急落時の最安値を割り込まずに反転し、戻り高値を超えてくれば、リバーサルフォーメーションが成立します。
急落時の最安値は「大底」と判断され、下落に対する「底入れ」が確認されたことになります。
この時、株価が急落時の最安値を割り込むと「底割れ」となり、その安値は大底ではなかったことになります。
さて、このチャートにおいて着目すべき点は、9月5日の戻り高値(1,649円)がトレンドライン②を意識して跳ね返されている現象です。
トレンドラインはレジスタンスとして機能しますので、株価が跳ね返されたということは、そのトレンドラインがテクニカル的に意識されていることの証明であり信頼性は高いと判断できます。
3.
しかし、残念ながら株価はリバーサルフォーメーションの形成に向かうことなく、急落時の安値であるサポートレベルラインBを割り込み、再び「底割れ」となり下げが継続することになりました。
これにより、トレンドライン③は消滅し、新たに9月28日高値を通過するトレンドライン④が出現しました。
そして本日、株価はトレンドライン④を転換してきました。
4本目のファンラインの転換
次にファンラインの観点から見ると、本日の転換は4本目のトレンドラインに対する転換となります。
3~4本目のラインが「真のライン」になるという考え方から、このトレンド転換が今後の大きな転換点となる可能性が高まります。
また、波動の考え方的でも3段下げとなり、底値形成に入るという考え方に合致します。
(トレンドライン①はチャートの形状から無効と捉え、大きな波動的として3波動です)
そして、この転換がエリオット波動の下降インパルス・パターンのインパルスウェーブ第5波の終了を確定させ役割を担うという考え方にも合致します。
高値から約半年経過し反転の期待が高まりますが、まずは今後のリバーサルフォーメーションの形成を待つことになります。
移動平均線とボリンジャーバンドとの関係
さらに、このトレンド転換に移動平均線(単純移動平均線)を絡めた観点から分析してみます。
移動平均線は上から200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線の順で、その下に現値が位置する「逆順パターン」となっています。
そして各移動平均線はそれぞれが乖離し発散している状態です。
株価のすぐ上に25日移動平均線が位置していますが、その下げ角度はまだ大きく仮に株価が上抜けても大きく上昇する動きにはなり難いです。
本日はストップ高で引けたので25日移動平均線が意識される価格までには達しませんでしたが、目先は25日移動平均線がレジスタンスとなり跳ね返される可能性が濃厚です。
理想的な動きとして、株価が25日移動平均線を上抜かず、大底を確認した後に戻り高値をレジスタンスレベルラインとして超えていく動きになると、ダブルボトムが成立する良いチャートになります。
その間に25日移動平均線の下げ角度は緩やか、もしくは上向きになり上昇への条件が整います。
しかし、上には75日移動平均線が位置しているので、それがレジスタンスとなり、まだ大きな上昇にはならないと予測されます。
<2018年11月7日、追記>
今後の動きのキーポイント
昨日と本日(7日)は小陰線となりました。
昨日の高値(1,094円)は25日移動平均線(1,098円)に跳ね返され、安値(1,002円)はトレンドラインがサポートになる動きとなりました。
本日の安値(980円)もトレンドラインがサポートになっています。
25日移動平均線がレジスタンスとして、トレンドラインがサポートとして意識されています。
もう少し明確な二番底を確認したいところですが、もし切り返して25日移動平均線を抜け、11月5日高値のレジスタンスレベルラインを上抜けてくると、10月17日高値をレジスタンスレベルラインとする価格まで戻るか、もしくは75日移動平均線まで戻す可能性があります。
しかし、ボリンジャーバンドの収束がまだ甘いので+2σに跳ね返され、75日移動平均線まで戻す反発力は弱いと予測されます。
今後の理想的な動きとしては、75日移動平均線までは戻さず、10月17日高値のレジスタンスレベルライン付近で跳ね返される動きが望ましいです。
理想的なチャートを形成するキーポイントは「移動平均線の角度と収束」にあります。
現在の株価は5か月間に渡って一方向に下げ続けたことで、25日移動平均線と75日移動平均線は平行状態になっています。
通常、株価が急落した場合、反応の早い25日移動平均線は、75日移動平均線に対して乖離しながら発散していきます。
しかし、この銘柄は一方向にダラダラとした下げが75日間以上続いたので、応答水準の関係からこのように平行になっています。
そして、その下げは45度と急角度なので、まだまだ下降の勢いが強いということが分かります。
この状態では余程の強い買いが入らない限り、大きな反発は期待できません。
ではどうなれば良いチャートになるのか?
まずは、下げ止まった株価が横ばいに推移して、移動平均線の角度が緩やかになる状態まで日柄経過を待つ必要があります。
大きく変動をしないで、上がらず下がらず横ばいに推移する動きです。
株価が横ばいに推移し始めると25日間と75日間の株価平均値は次第に均され、徐々に移動平均線は下向きから横向きに変化していきます。
反応が早い25日移動平均線が先に横向きになります。
そうなると、25日移動平均線はまだ下向きの75日移動平均線に対して徐々に収束していきます。
遅れて75日移動平均線も横ばいになってくるとグランビルの法則のAパターンに合致するチャートが形成されます。
⇒ グランビルの法則Aパターンのまとめ
余談的に付け加えると、横ばいに推移する期間が続くことで、ここまでの下げに耐えてきた参加者は、上がる気配を見せない株価に嫌気して撤退していきます。
(特に年末近くは節税対策としてこのような下落銘柄に損失確定の売りが出やすくなる傾向があります)
そして、逆に目先が利く参加者が売り物を拾って仕込みをします。
結果、売り圧力が低下し次の上昇を軽くします。(信用買い残が減少すれば尚良い)
今の状況から上記の様に移動平均線が収束する局面になるまでには、今から2か月~3か月の日柄を必要とします。
その期間にリバーサルフォーメーションの形状を確認します。
要約すると現在の状況は、単に下降トレンドが終焉しただけで上昇に転じるわけではないので、移動平均線が横ばいか上向きになり、上昇に転じる条件が整うまで日柄待ちをした後に、リバーサルフォーメーションを確認してからブレイクアップのタイミングで仕掛けると言うことになります。
そうなると、「移動平均線と株価の分位別株価」の「下降トレンド」から「底打ち」、「上昇トレンド予備軍」へと局面が変化していきます。
なお、上記で75日移動平均線まで戻さずに、11月5日高値のレジスタンスラインで跳ね返される方が理想的であるとした理由は、75日移動平均線が降りてきて25日移動平均線と収束するタイミングで、25日移動平均線の上に位置する75日移動平均線が、このレジスタンスラインとほぼ同じ価格になるからです。
2つのレジスタンスの価格が重なるポイントを同時抜けすると上昇の勢いは更に強くなります。
そうなる前に、無駄に上昇してチャート上にレジスタンスのポイントとなる価格を残してしまうと、将来的に上昇する過程で売り買いが交錯することになり、チャートが乱れる可能性があるので避けて欲しいという想いがあります。
特にこの銘柄の様にろうそく足に乱れが少なく、長い実体やヒゲが少なく、動きが穏やかな銘柄は、レジスタンスポイントが利益確定の目標になりやすい傾向があります。
加えて、リバーサルフォーメーション形成中の値幅は小さければ小さいほど後の反発は大きくなります。
値幅が小さくなるとボリンジャーバンドが収束し、後の発散が上昇の勢いを加速させるパワーとなります。
<2018年11月8日、追記>
将来のチャートイメージ
この銘柄(6545 インターネットインフィニティ)の将来のチャートイメージとして、2685アダストリアのチャートが参考になります。
チャートは11月8日のザラ場です。
大まかに経過を説明すると、2018年3月の高値から約4か月間下落し7月にトレンド転換しました。
この時、インターネットインフィニティの現在同様に、75日と25日の移動平均線は、大きな角度で平行に下げていました。
その後、株価は25日移動平均線を上抜けたものの、途中で失速して75日移動平均線まで到達せずに、そのまま2か月間横ばいに推移しました。
リバーサルフォーメーションとなるアセンディングトライアングルを形成しながら、移動平均線の角度が穏やかになった8月末頃に、上から降りてきた75日移動平均線を意識する動きが始まり、一時的に下値傾向線を割り込んだものの、安値がサポートレベルラインとなり、最終的に7月末のレジスタンスサポートラインを抜けてトレンドは上昇に転じました。
(結果的にはフラットフォーメーションの形成となりました)
現在、2本の移動平均線は上向き、25日移動平均線は75日移動平均線に対して発散する強い上昇トレンドとなっています。
7月末の高値をレジスタンスレベルラインとして上抜けた瞬間を買いポイントとすると、現在でおよそ35%の利が乗っていることになります。
経過の詳細は ⇒こちらに投稿があります。
インターネットインフィニティも将来的にこのようなチャートをイメージしています。
この動きとチャートの形状は、大きく落ち込んだ後に上昇トレンドに転じる多くのチャートに共通しています。
当然、安値を割り込んで下降継続となれば見送りになりますし、不安定な動きによりテクニカル分析に適合し難くなくなった場合は対象から除外します。
目先のレジスタンス
8日ザラ場のインターネットインフィニティの一目均衡表です。
三役は逆転中です。
過去の動きを見ると基準線がレジスタンスとして意識される動きを繰り返しています。
下向きの25日移動平均線に接近し、また先行スパン1も次第に下がってきますので目先の上値は重く、底固めには日柄がかかりそうです。
<2018年11月15日、追記>
11月13日引け後に発表された2Q決算により大幅な下げとなりました。
ボラティリティが低下し次の動きが出るまで、再び静観となります。
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