日経平均株価は三段上げ後の踊り場(2018年11月10日)

目先は方向感が掴みにくい動き

日経平均株価は10月の急落後以降、揉み合いながら荒い値動きをしています。

以下は11月9日引け後の日経平均株価の日足チャートです。

直近1年間の動きとしては、1月からの下落後、4月から形成し始めたアセンディングトライアングルを、9月中旬にブレイクアップし、1月の高値を抜いて10月に年初来高値を更新してきました。

10月高値がチャネルラインの上値傾向線を意識して跳ね返された現象は先の投稿に記載した通りで、結果はその後の投稿で確認できます。

その後、10月から一気に3,500円ほど急落した株価はトレンド転換を経て、現在は戻りの途中にあります。

詳細に足元を見ると、下降トレンドの転換後に10月30日安値を起点とする短期のトレンドラインは、昨日の引け値で割り込んできていますので、このリバウンド的な戻りは一旦終わる可能性があります

(余談として、日経平均株価の11月8日の高値は75日移動平均線未達で反落しましたが、これは日経225先物が先行して75日移動平均線にタッチして跳ね返されたためです)

いずれにしても、大きなボラティリティを伴い、まだ今後の方向性が掴みにくい展開となっています。

 

3本の移動平均線で確認

さて、このチャートに移動平均線を表示させたのが以下のチャートです。
青色が25日移動平均線、緑色が75日移動平均線、赤色が200日移動平均線です。

トレンドという観点で分析してみます。

現在、株価は3本の移動平均線を既に割り込んでおり、それぞれの移動平均線は乖離せず互いが収束しています。

移動平均線が収束する局面は、株価の煮詰まり感を示唆し、近く保ち合い放れの転機が訪れる兆候です。

今の局面は、上向きであった移動平均線が横ばいから、下向きに転じた状態なので、グランビルの法則では「売りの初動」に該当します。

グランビルの法則は1本の移動平均線で解説されていますが、このように複数の移動平均線が収束した局面では、それぞれの移動平均線から下離れする力が働くために、その下落の勢いは倍増することになります。

これは、投資家がどの移動平均線を基準に売買をしているかに関わっています。

例えば、1月の様に移動平均線が乖離している場合は、75日移動平均線を割り込んだ場合、75日移動平均線を投資判断の基準にしている投資家は売りますが、200日移動平均線を基準にしている投資家は売りには回りません。

しかし、収束している局面においては、それぞれの投資家が売り手になります

これは、人間的な判断もそうですし、コンピュータ・システム的にも同様です。
そして、下落が始まると、逆指値注文が更に下げを加速させることになります。

株価の落ち方が2018年1月の頃と似ているから反発するであろうという見解を何かの媒体で見かけましたが、1月のチャートと比較して判断の基準として最も使われることが多い75日移動平均線の位置も収束関係にありますので、売り目線は更に多くなると予測されます。

加えて、200日移動平均線の向きが大きく異なります

期間が長い移動平均線は短い移動平均線と比較して、応答水準の関係から遅行する性質があります。
その大きな波動から200日移動平均線は長期トレンドの把握に使われます。

現在、25日、75日移動平均線のみならず、長期トレンドを示す200日移動平均線も既に下向きに転じています

このため、下落リスクは更に高い局面であると言えます。

 

波動的には3段上げ後のブレイク直前

さて、視点を替えて波動という観点から見た場合、200日移動平均線に対して株価は3段上げを達成しています。

3段上げ3段下げの法則からすると長期的に、株価は高値圏に位置していると見られます。

2016年6月から上昇を始めた株価は、上向きに転じた200日移動平均線のトレンドに乗って2018年1月まで三段上げてきました。

その後のアセンディングトライアングルが、コンティニュエーションフォーメーションとなり、9月のブレイクアップに繋がったように見えます。

しかし、その間に上向きであった200日移動平均線が、横ばいから下向きに転じてしまったことにより、ブレイクアップをしたものの、波動的には終焉を迎えた可能性があります。

仮にそうなるとしたら、9月のブレイクアップはチャート上の「ダマシ」と判断できます。

前述のように、収束した移動平均線を割り込めば下げへの転換を意味しますので、以降の株価は急落するという可能性を秘めています。

移動平均線が収束している局面は上放れの局面でもありますが、裏を返すと下放れをする局面でもあるので、買い方からすると非常に大きなリスクをはらんだ局面であるということを意識しておくことが重要です。

これは正にグランビルの法則の「売り初動のポイント」です。

現在は、まだボリンジャーバンドが発散していて、非常にボラティリティが高い状態です。

今後は、ボラティリティが低下するまで日柄経過を待ち、次の動きを示唆するフォーメーションを確認していく必要があります

コンティニュエーションフォーメーションとなるならば、3か月~6か月以上の日柄を要します。

リバーサルフォーメーション(ダブルトップや弱気のレクタングル、下降ペナント、弱気のフラッグや上昇ウェッジ)であれば3か月くらいの日柄がかかります。

中期的な目線で動きを監視していくことになります。

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