日経平均株価ハイアーチャネルライン到達(2018年10月6日)
一時的な調整局面入り
9月上旬までの保合い相場からブレイクアップして上昇した日経平均株価は、今週調整局面に入りました。
下図は日経225先物(日中)の日足チャートです。
日経225先物は日経平均株価の先行指標として、また日経平均株価を先導する重要な指標として注視しておくべきものです。
先物チャートは2018年5月の高値を8月30日に更新したことにより、2018年3月安値(A)を起点として8月16日安値(B)を通過するトレンドラインが出現しました。
株価は5月から横ばいに推移するフラットコレクションとなり、23,000円付近の価格帯を上限にしながら徐々に安値を切り上げるアセンディングトライアングルを形成してきました。
そして、9月中旬にレジスタンスレベルラインを上抜けてブレイクアップしました(E)。
その後株価は10営業日上昇し10月2日にピークを付けた後に、今週は下落する動きとなっています。
ブレイクポイントからの値幅は1,500円となっています。
ハイアーチャネルラインからの反落
株価は10月2日の高値でピークアウトしましたが、株価の上限はチャネルラインの理論にもとづき事前に予測することが可能です。
このように株価が上昇する過程では、移動平均線や各種指標とは別に高値安値を基準にしたラインが非常に意識されます。
今回の場合、まずは(A-B)のトレンドラインが出現した時点で、トレンドラインをロワーチャネルラインとするハイアーチャネルラインを引くことが出来ます。
ハイアーチャネルラインはトレンドライン(A-B)と平行のラインをAB間の高値に置くラインのことです。
高値(C)を起点にトレンドラインと平行に引いたラインは、将来的に株価がここまで到達した際のレジスタンスとなります。
結果、株価はハイアーチャネルラインにタッチし(D)、そこからピークアウトしました。
これにより日経225先物の上昇は一旦ストップし、今週の調整局面入りとなったのです。
このようにロワーチャネルラインと平行なハイアーチャネルラインは、上昇相場において強力なレジスタンスとなり株価が到達した際には注視すべき売買の要所となります。
今回の日経225先物の場合、ハイアーチャネルライン到達で買建ての利益確定、および新規の売建てとなります。
チャネルラインは、株価がトレンドを伴い上昇下降を続けた場合に、強力なレジスタンス、サポートのラインとして機能します。
同様の現象は個別銘柄においても多くの事例が確認できます。
日経225先物や日経平均株価においては、より顕著に出現する現象であり過去に何度も確認されています。
テクニカル分析においては見過ごせない理論である、むしろチャネルラインに合わせたレンジで株価は推移していると言っても過言ではありません。
なお、このようにチャネルラインがレジスタンスやサポートのポイントとなる理由は、高値と高値を結ぶライン、または安値と安値を結ぶラインを、コンピュータで座標として計算することにより、事前に将来的な到達価格を予測しておくことが可能だからです。
そして、株価がその価格に到達した瞬間に、プログラムが自動的に売買を発注するからです(閾値は考慮)。
特に、チャネルライン理論による売買ポイントの予測は、テクニカル分析においては非常に初歩的で一般的な分析手法であり、また高値安値の導出は売買システムを構築する際のプログラミング難易度が非常に低いため、世界中の多くのトレードプログラムに実装されています。
理論が一般的であればあるほどそのポイントの認識度が高く、プログラミングの難易度が低ければ低いほどそのポイントで集中してシステムが動きます。
そこでは大量の資金が瞬時に集中し、それが大きなパワーとなり相場のターニングポイントを決定していくことになります。
結果、このような現象が起こったのです。
上昇相場の逆張りスタンスによる押し目買い
さて、今後株価は押し目を探る展開となります。
まず、各移動平均線と株価の位置を関係を確認しておくと、3本の移動平均線は下から200日、75日、25日移動平均線の順になっています。
株価は25日移動平均線の上に位置しています。
移動平均線と株価の分位別株価的には完全な順パターンです。
そして、各移動平均線は上向きに発散状態にあります。
特に短期線である25日移動平均線の上昇角度は大きく、現在は強い上昇トレンドが継続している状態にあることが分かります。
上昇トレンドで株価が押してきた場合、「押し目買い」を狙います。
ここで注意しておかなければならないのは、「押し目」とは上昇相場で株価が下落した後に、再度上昇に転じることが確認された局面のことを指します。
株価の下落途中で上昇に転じた事実が確認できていない段階では、単に押している状況を指すだけで押し目とは呼びません。
- 基本的に「押し目買い」は、反転を確認してから買う順張りスタンスを意味します。
- 逆に反転を確認しないまま反転を見越して買うことを逆張りスタンスと言います。
逆張りスタンスの場合は、反転が確認できていないので株価が更に下落するというリスクがあるという認識が必要です。
押し目のメドはロアーチャネルライン
さて、チャネルラインを利用した押し目買いの場合は「逆張りスタンス」を採用します。
逆のトレンド転換を狙う場合は「順張りスタンス」です。
まず、株価が(A)のハイアーチャネルラインに到達し、今回の上昇の高値が明確になりました。
(A)を起点としてブレイクアップの基準となった高値(B)を通過する(A-B)のラインを引きます。
このラインが9月の上昇局面におけるハイアーチャネルラインとなります。
このラインにもとづいてチャネルライン理論を展開していきます。
次に、このハイアーチャネルラインに対するロアーチャネルラインを安値(C)に置きます。
このロワーチャネルラインが目先のサポートラインとなりますので、このラインにタッチするポイント(D)で指値待ちをするのが「逆張りスタンスの押し目買い」です。
このラインは日々価格がラインに沿って推移しますのでリアルタイムの価格確認が必要です。
なお、当然のことながら逆張りの場合は、ロスカットを厳格に実行する必要があります。
そして、もしロワーチャネル(D)を下回って更に株価が下落していくと、25日移動平均線、75日移動平均線がサポートとなり、次に前述のロワーチャネル(E)が最後のサポートラインとなります。
<2018年10月10日、追記>
明日11日以降の動きを確認しないと分からないものの、本日は騰落の衰えを示す「下十字」を出し引けています。
ロアーチャネルライン(D)は割り込んでいます。
さて、ここで着目したいのは日経平均株価の動きです。
以下が引け後の日経平均株価の日足チャートです。
日経平均株価もロアーチャネルラインを割り込みましたが25日移動平均線がサポートになり下げ止まっています。
日経225先物主導で日経平均株価は影響を受けますが、本日の動きは先に日経平均株価が25日移動平均線をサポートに反転したことにより、先物の下げが止まりました。
このように2つの指標が同じ観点で相互に影響をしています。
明日以降、これが目先の底となるならば、買戻しの流れで一旦リバウンドをしますが、再度底を試す動きを見せて下落します。
その際の、本日の安値を割り込み底割れとなるか、二番底を確認してダブルボトムとなるのかが注目されます。
<2018年10月12日、追記>
NYダウの急落を受けて日経平均株価も急落しました。
下記は日経225先物(日中)の日足チャートです。
安値はロワーチャネルラインでもあるトレンドラインがサポートになり下げ止まっています。
チャネルライン内の動きなのでテクニカル的には想定の範囲と言えます。
株価が急騰、急落して調整する場合、日柄調整と値幅調整の2通りの調整の仕方があります。
11日の急落はその両方が過剰に起こった現象です。
このような現象が起きた後は元の価格にいきなり戻すことはなく、日柄をかけて次の動きを探ることになります。
この急落でボリンジャーバンドは拡散しましたので、しばらくはボラティリティが大きく不安定な動きが続くと予測されます。
株価は一時的に戻しますが、再度下落し底値を試す動きをしますから、安易な底値狙いによる買いはご法度です。
以降、トレンドラインを割り込む動きになると、そのトレンドラインがレジスタンスに替わります。
そしてこのラインに跳ね返される動きを確認してトレンド転換となります。
その場合、下に位置する200日移動平均線がサポートとなるものの、下降相場入りを念頭に入れる必要があります。
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