移動平均線はどの期間のものを使うのか?

移動平均線の期間

さて、移動平均線の期間の違いはトレードにどう影響するでしょうか?

下図の株価チャートの赤い線は5日移動平均線で、緑の線は75日移動平均線です。

期間の短い5日移動平均線が細かく上向き下向きを繰り返しているのに対して、75日移動平均線はゆったりとした曲線となっています。

例えば、今日の株価が昨日と比較して100円上昇したとします。
その場合、5日移動平均線は算出分母が5なので20円分高い位置に推移しますが、75日移動平均線は算出分母が75なので僅か1円30銭分しか推移しません。
期間が長くなればなるほど平均算出の分母が大きくなり、その平均値は前日との差は小さくなります。
その為、期間が長くなればなるほど移動平均線の動きはゆったりとした曲線になります。

移動平均線は期間が長いほどゆったりとした曲線を描くのです。

 

移動平均線の適切な期間は?

グランビルの法則で移動平均線と株価の関係を説明をしてきましたが、基準とする移動平均線は何日線を使うのが最適なのでしょうか?

一般的に良く使われる移動平均線には以下のものがあります。

  • 200日移動平均線
  • 100日移動平均線
  • 75日移動平均線
  • 25日移動平均線
  • 10日移動平均線
  • 5日移動平均線 ・・・

あるいは今お使いのチャートツールによっては、もっと違う日数で表示されているものもあると思います。

どの移動平均線を使うのも正解です。
どの期間の移動平均線を使うのかはトレード期間のスタンスによります。

期間が長くなればなるほど1日の株価変動額を算出する分母が大きくなりますから、変動幅は薄まり線の動きはゆったりとしたものになります。
株価が大きく急騰急落しても期間が長ければその影響は小さく移動平均線はさほど大きく変動しません。
逆に5日移動平均線のように期間が短い場合は、変動幅の影響を大きく受け線は細かく動きます。

 

トレードスタンスに合わせた適切な期間の移動平均線を使います

短期トレードをするのであれば短い期間の移動平均線を使ったほうが日々の機微を掴みやすいです。
長期トレードをするならば長い期間の移動平均線を使う方が大きな流れを掴みやすくなります。
長期トレードで5日移動平均線を使っても日々の細かな動きに翻弄されてしまうだけで意味がありません。

それぞれのスタンスで移動平均線は使い分ければ良いです。

このブログでは中長期的なスイングトレードを前提としていきますので25日、75日、200日の移動平均線を使用していきます。

 

意識される移動平均線!

さて、トレードのスタンスに合わせた機関の移動平均線を使用する前に、まず重視したいのはどの移動平均線がその銘柄で意識されているかと言うことです。

私は長期スタンスだから200日移動平均線しか見ない、あるいは短期スタンスだから5日移動平均線しか見ないというわけではありません。

移動平均線にはサポート・レジスタンスの機能があると説明しましたが、銘柄ごとのチャートをじっくり眺めると、 支持抵抗として機能している場合と機能していない場合があることに気づきます。

移動平均線の重要な役割(サポートライン)
移動平均線の重要な役割(レジスタンスライン)

機能している=意識されていると表現します

これは同じ銘柄でも時期や株価の位置にも左右されますので一概にこれ!とは言えません。
今現在、どの移動平均線がサポート・レジスタンスとして、あるいはトレンドの方向として機能してるかということを、まずはチャートをじっくりと観察して感じ取ることが重要です。

例えば下記のチャートは25日移動平均線と75日移動平均線を表示させていますが、25日移動平均線(青い線)をサポートラインとして意識しながら株価は波打つように動いています。
まさに25日移動平均線が意識されている状態です。

 

このように、意識されていると思われる移動平均線を発見できたら、今その銘柄はその期間の移動平均線で動いてるという判断でしかるべき売買ポイントを見極めていけば良いのです。

例えば、グランビルのAのポイントの場合、移動平均線は分位別株価として下から25日線、75日線、200日線の順番で位置しています。

下から上昇してきた株価は抵抗である25日線を抜けると25日線の抵抗としての機能は終わり、今度は75日線が次の抵抗となります。
そしてその次は200日線という具合に位置関係が変わっていきます。

下記のチャートがその例です。

最初は25日移動平均線がレジスタンスとして意識され(左の赤丸)、それを抜けると今度は75日移動平均線がレジスタンスとして意識されました(中央の赤丸)。

そしてレジスタンスだった75日移動平均線を抜けた瞬間に大きな資金が流れ込み株価は急騰しました。
この場合は75日移動平均線が買いポイントとして狙われていたことになります。

そしてその上に位置していた200日移動平均線が利益確定の目標にされ抵抗として意識されました(右の赤丸)。

株価は何度か200日移動平均線を抜こうと試した形跡はありますが、結果的にはレジスタンスとしての働きが強く株価はその後下落していきました。

このように株価の動きが移動平均線を抵抗とするような動きをしたりしていたら、その移動平均線は意識されてる、つまりその銘柄に参加してる人はこの移動平均線を重要視していると考えて、抜けてくる瞬間を仕掛けてくる可能性があると考えることができます。

 

株価チャートの顔を見極める

その銘柄に参加している人は沢山います。
全員が一つの同じ期間の移動平均線を意識しながら売買していることなどはあり得ません。

それぞれの人がそれぞれのスタンスで任意の移動平均線を使っています

株価は需要と供給の関係で動きます。
利益の出ている人、損失を抱えてる人、それぞれの立場に人の思惑を考えてどの移動平均線を意識して使っているのか、この先意識されるであろうかを予測し見極めることが重要です。

まずはチャートをじっくりと見てください。

臨機応変にチャートの顔(動き)を見ながらどの移動平均線を使うべきなのかポイントごとに判断することが重要です。

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