移動平均線の重要な役割(サポートライン)
移動平均線はサポートラインとして機能する
移動平均線は株価の方向性を示し上昇トレンドの時に株を買うと上がりやすい。
では、いつどのタイミングで買えば良いのか?
その前に移動平均線にはもう一つの重要な役割があることについてお話します。
移動平均線は「サポート、レジスタンス」として機能するということです。
株価チャートを見るとどのチャートツールでも移動平均線が表示されています。
しかし、それはただの計算上のバーチャルな線が描画されているだけに過ぎず実際に線が存在しているわけではありません。
これを地図に例えるなら、地図上に赤道が赤い線が引かれていたとしても、実際に飛行機から地上を見ても赤道を示す赤い線は見えないのと同じです。
移動平均線も株価チャートという地図の上だけの論理的な線です。
それにも関わらず、移動平均線が物理的に壁があるがごとく株価が影響を受ける怪現象が頻繁に見受けられます。
まずは下図のチャートをご覧ください。
これはある企業の日足チャートです。
状況としてはこの株は高配当銘柄だった為、権利落ちのあおりを受けて5日間株価が下落し続けました。
いつ下落が止まるのだろうか?みんな心配して眺めています。
この株を保持してる人は気が気ではなく耐え切れず投げてしまったかもしれません。
また、これから買いたい人からすると安く買えるチャンスの到来です。
まず、左のチャートは移動平均線を非表示にしたものです。
この日(赤丸の箇所)下落した株価は下ヒゲをつけて切り返して反発して引けました。
単純に「売られすぎたので値頃感から買い戻されたのだろう」そのような動きに見えます。
今度は右の移動平均線を表示させたチャートをご覧ください。
ここで着目して欲しいのは、株価が移動平均線と同じ価格でピタッと止まったという現象です。
あたかも移動平均線が物理的な壁になったがごとく株価をパシッと跳ね返したように見えます。
この現象を「移動平均線がサポートラインとして機能した」と解釈します。
トレーダーの心理を理解する
この時、この銘柄の参加者達は何を考えどう行動したのかということを理解しておく必要があります。
まずテクニカル的に移動平均線が支持となることを知ってるトレーダーは株価が下落してきた場合に、下に移動平均線が位置していると移動平均線が支持として機能して株価の下落が止まるかもしれないと予測します。
そのため、安い株価で買いたい人や空売りの決済をする人達は、移動平均線の価格で買い指値を入れて待ち受けることになります。
その時点でこの価格での「需要」は高まっていたと言えます。
そしていざ株価が移動平均線の価格まで下落してきた際に、その価格には多くの指値の買い注文が待ち受けていますので株価は下げ止まりの兆しを見せます。
つまり、下落途中は「供給>需要」でしたが、移動平均線の価格で「供給=需要、もしくは供給<需要」に転じたのです。
そして株価が下げ止まったと見るや否や、この意味を知ってるトレーダが追随した買いを入れてくることにより更に需要が高まり株価の下落は止まりついには反転して上昇したのです。
結果、移動平均線があたかも実際に壁があったがごとく株価というボールを見事に跳ね返したという現象が起こりました。
これが移動平均線が「サポートライン」として機能するというテクニカル観点からの説明です。
テクニカル分析の暗黙の了解!
このような現象はどの銘柄においても至る所で確認することが出来ます。
これはテクニカル分析を知っているトレーダーの暗黙の了解です。
是非、ご自分の好きな銘柄のチャートで過去に遡って確認してみてください。
次回「移動平均線がレジスタンスとして機能する」という説明をしていきます。
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