グランビルの法則は売り、買いどちらのサインが出るか?

収束が進む移動平均線

日経平均株価の2019年2月15日引け後の日足チャートです。

日経平均株価は、13日の水曜日に10月2日を起点とする下降トレンドラインを転換しました。

2月1日の投稿で以下のような記載をしましたが、このトレンドラインが窓を空けて抜けたことにより、レジスタンスとして強く意識されていたことが判ります。

日経平均株価は特徴的に意識されるポイントをクリアする際には、空売りの買戻しと実需買いの相乗効果で、窓を空けて高く寄り付く事象がよく見られます。』

短期の上昇トレンドラインは、13日にヒゲで抜けたので、意識され具合は低く、また13日に高値を更新したことにより、このトレンドライン自体が消滅しました。

現在、株価の上には75日移動平均線が位置しており、目先のレジスタンスとして意識されています。

75日移動平均線の下げの角度は、徐々に緩やかになり横ばい状態に近づいています。

移動平均線の単線分析では、株価が移動平均線を上抜けるポイントは、グランビルの法則の「買いシグナル」となります。

さらに、既に上向きの25日移動平均線との収束が進んできています。

25日と75日の移動平均線がミニゴールデンクロスすることで、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜けると、2本の移動平均線の発散が始まり、トレンドが上昇に転じます

現在「移動平均線と株価の分位別株価」としては「底打ち」局面です。

株価が75日移動平均線を上抜けると「上昇トレンド予備群」となり、ミニゴールデンクロスが成立すると「上昇トレンド」に局面が変化します。

そうなると、「順パターン」の上昇相場となり、相場の様相が一変することになります。

但し、下向きの200日移動平均線が上に位置していますので、楽観的な上昇という見方ではなく、あくまでも戻りの勢いが増した程度と捉えるべきです。

下向きの200日移動平均線はレジスタンスとして強く意識されますので、上昇の限界となるのか注目のポイントです。

株価は13日と14日のザラ場で、75日移動平均線を抜けたものの終値で割り込んでしまっています。

窓を空けてトレンド転換したのは、空売りの買戻しが主体ですが、まだ実需の買いが入っていない強くない相場と言えます。

今後、上昇局面に入る目線で見るならば、理想的には25日移動平均線と75日移動平均線の収束が、もう少し進んだ局面で、株価が75日移動平均線を上抜けてくるのが望ましい動きです。

今の様に、株価が2本の移動平均線の間に位置している場合、それぞれの移動平均線がサポートとレジスタンスの役割を果たします。

2本の乖離幅が大きいと、その間の値幅が売り方と買い方の利幅になりますから、売り買いが交錯する状態になり、結果的に振られて「ダマシ」となる可能性が高くなります。

相場の勢いが強ければ一気に上昇トレンド局面に移行しますが、強くない相場では、株価は2本の移動平均線の間で保合い、収束が更に進んだ状態で、株価が75日移動平均線を抜けていくのを待つことになります。

その状況は、グランビルの法則で「買いシグナル」となります。

移動平均線の複数線分析において、2本の移動平均線が収束した状態が、株価の煮詰まり感を示唆し、近く保合い放れの転機になる前兆であるからです。

株価が上に抜けると「順パターン」となり、移動平均線の発散が始まり、株価の上昇が最も強い場面となります。

 

反対に、下降局面に入る目線で見るならば、株価が25日移動平均線を割り込めば「逆順パターン」となり、株価の下落が最も強い場面になります。

まさに、グランビルの法則の「売りシグナル」となる局面です。

2本の移動平均線が収束した状態は、以降に上昇するか下降するかの分岐点でもあります。

そして、大局は長い期間の移動平均線の向きに大きく影響を受けます。

現在、長期の200日移動平均線と中期の75日移動平均線は共に下向きなので、中長期的には下降と判断します。

そうなると、1月以降の今の上昇はグランビルの法則の「買いシグナルの4」の終了段階であり、「売りシグナル1」の開始段階となります

現在のレジスタンスレベルラインは2月14日の21,235円、サポートレベルラインは2月8日の20,315円です。

他の指標も絡めながら、このレンジをブレイクした方に株価は動くと予測します。

 

そして、一目均衡表は「三役好転」しています。

1.転換線は基準線を上回り好転。

2.遅行線も好転。

3.13日に雲(抵抗帯)抜け好転。

12月26日安値を「準備構成線」とした場合、戻り高値を経て、安値から29日目で反発しています。
(理論上は26日以内が最良)

そして、一番底からは30日目、二番底から2日目で三役好転となりましたので、一目均衡表は準備構成における「最良の経過」と言えました。

しかし、本日の下げで上向きだった基準線が横ばいになりましたので、最良の状態から一歩後退しています。

 

収束していたボリンジャーバンドは、+2σが僅かに発散方向に変化したものの、株価は-2σ割れまで押し戻されています。

ここ一週間の内に収束がかなり進み、くびれが入ってきましたので近く反発する兆候がありますが、+2σを抜けきらなかったので、今一度収束を待ちたいところです

収束がかなり進んでいますので、今後動いた方向へのボリンジャーバンドの発散力は大きいと予測されます。

 

さて、仮にこのまま強い方向に相場が向かうとすると、高値のメドは上値傾向線から予測できます。

13日に高値を更新したことで、新たな上昇トレンドラインが出現しています。

株価が上昇した場合は、目先はこのトレンドラインの上値傾向線が高値メドとなります。
(もしくは200日移動平均線)

ラインの価格は、株価がラインに到達するまでの日柄にも影響を受けますが、ほぼこの辺りで目先の高値となり調整に入るものと想定されます。

 

今の状況は、単に戻り相場が継続しているだけなのか、新たな局面に入ろうとしているのか、疑心暗鬼を伴う相場です。

シンプルに全体チャートを鳥瞰すると、現在地は下降相場序盤で、75日移動平均線までの戻りが終わり、次の下落に向けた直前と考えられます

目先は、強く意識されていた下降トレンドラインがサポートラインとなりそうですが、サポートライン付近には、25日移動平均線や基準線・転換線、先行スパン2などのテクニカル指標が密集していますので、強いサポートとなります。

しかし、レジスタンスレベルラインを割り込むと、全ての指標が一気に逆転してしまいます。

来週、保合い継続か、レンジをどちらかにブレイクするのか注目です。

 

<2019年2月18日、追記>

不要なろうそく足を除外すると、ここにも高値ラインが存在します。

このラインの方が流れに沿っています。

<2019年2月18日、追記>

引け後の日足チャートです。

終値でレジスタンスレベルラインを抜けてきました。

ボリンジャーバンドも+2σを抜けて、発散方向になっています。

基準線も上向いて三役好転継続です。

上記、上値傾向線が意識されます。

<2019年2月20日、追記>

2月20日の引け後の日足チャートです。

小動きながらろうそく足は安値と高値を切り上げながら、ボリンジャーバンド+2σに沿って上昇しています。

日経平均株価、およびマザーズ、ジャスダック市場も小動きが続くことから、個別銘柄でもボリンジャーバンドの収束がかなり進んでいます

何らかのトリガーにより動意づいたら、大きく発散することが予測されます。

上、または下への逆指値が有効になる局面です。

<2019年2月22日、追記>

じりじりと値を上げていますが、一目均衡表の転換線と基準線が同値になりました。

小動きながら上昇が続いているため、過去9日間の上昇よりも過去26日間の上昇が強く、転換線より基準線の方が勢いがあり、強い相場であることを意味しています。

本日は、12月26日から数えて36日目、2月8日から数えて9日目になります。

今年に入ってからの上昇具合から、2月8日の下げは二番底ではなさそうな流れです。

深い押しがありそうなので要注意です。

インターナル・トレンドラインからは、上値傾向線までの上値余地はまだありそうですが。

 

<2019年2月24日、追記>

安値を切り上げながらのレンジ内の動き(2019年2月22日)

 

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