デットクロスは売りではない。
デットクロスの上抜けは買い
複数の移動平均線が交差する時の位置関係によって、「売り・買い」のシグナルとする見方が多く見受けられます。
短い期間の移動平均線が長い期間の移動平均線を上に抜ければゴールデンクロス(GC)、下に割り込めばデットクロス(DC)と呼びます。
この時に注意しなければならないのは、どの期間の移動平均線を比較の対象にするかです。
まず、使用する移動平均線は以下の期間のものを基本として使用します。
・短期線 : 25日移動平均線
・中期線 : 75日移動平均線
・長期線 : 200日移動平均線
次に、GCとDCは長期線と中期線との位置関係を指します。
中期線が長期線を上に抜ければゴールデンクロス(GC)、下に割り込めばデットクロス(DC)です。
また、中期線と短期線との位置関係においては、それぞれミニゴールデンクロス、ミニデットクロスとして、上記と混同しない注意が必要です。
ミニGC,ミニDCは判断期間が短くなるので、ダマシを回避するためにも中期線の方向も確認すべき条件に加えます。
下記に添付した日足チャートは、数日前まではミニDC直前の様相でした。
株価は中期の75日移動平均線と短期の25日移動平均線の下に位置していたので、グランビルの売りの法則からこのまま下離れしていく様相でした。
しかし、株価は切り返し移動平均線がクロスする真上を上に抜けました。
この時の重要な観点は、2本の移動平均線が収束しているという状態と株価(現値)の位置関係にあります。
たとえミニデットクロス状態であっても、株価が上に抜けて来ると株価は移動平均線から発散していく性質から「買い」となります。
特にこのように2本の移動平均線が収束したポイントでは、双方の移動平均線抜けによる買いが集中しますから、上昇の勢いは強いものとなります。
但し、どこまで上がるかについての見極めは、別途判断が必要です。
加えて、このチャートの場合は、長期のトレンドの方向を示す200日移動平均線は上向きなので、株価の2本の移動平均線の収束ポイント上抜けは、「押し目」と判断します。
このように収束した移動平均線の真上を株価が抜けるチャートは強いという傾向が多く見受けられます。
2014年の日銀金融緩和発表前後の動き
アベノミクスによる株価上昇な続いた最中、2014年10月に日銀が大幅な金融緩和策を発表しました。
発表時刻が場中だったため、好感した買いが殺到し大陽線となり引けました。
発表の2営業日前に25日移動平均線と75日移動平均線のミニデットクロス(DC)の真上を株価が抜けています。
この時点で目線は上放れを狙うことになります。
大幅金融緩和というファンダメンタル的なサプライズに加え、株価の移動平均線収束抜けというテクニカル的なポイントが重なったことで大きく反応する結果となりました。
<2018年11月7日、追記>
冒頭の銘柄の3営業日後の日足チャートです。
前日にデットクロスしていますが、株価は移動平均線の上に位置しています。
移動平均線が収束から発散に向かう強い上昇となりました。
“デットクロスは売りではない。” に対して2件のコメントがあります。