移動平均線と株価の分位別株価(2019年5月21日)

移動平均線の収束とラインの重なりは強い

日経225先物の5分足チャートです。 (21日、23:35)

移動平均線は25本MAと125本MAになります。

長期MAに対して短期MAが綺麗な動きをしています。

長期MAが下降の時には長期MAの下を短期MAがバウンドするように収束と発散を繰り返し、GCを経過して長期MAが上昇に転じると、短期MAは長期MAをバウンドするように収束と発散を繰り返しています

これを「移動平均線分析の分位別図」に則して株価と2本の移動平均線の位置関係で見ていくと、例えば本日18時過ぎの収束局面は「ピークアウト」に該当します。
(13時に短期MAを割り込んだことで「上昇トレンド」から変化しました)

この時、株価が更に下落して長期MAを割り込むと「下降トレンド予備軍」になり、DCを経て「下降トレンド」となります。

しかし、グランビルの法則に基づき上昇中の長期MAに対して、下降してきた短期MAが収束した局面では、再び短期MAがバウンドして、再び発散する動きが良く起こります。

これは「ピークアウト」から「下降トレンド予備軍」に進まず、再び「上昇トレンド」に逆流する現象です。

「上昇トレンド」に戻るためには、長期MAの上を維持している株価が、短期MAを上抜ける必要があります。

この上抜ける瞬間が「上昇トレンド」に転じる瞬間で、押し目買いのポイントになります。

この時に重要なのは、メイントレンドとなる長期MAが上向きの上昇相場であることです。

そして、上抜けた株価は、グランビルの法則に基いて移動平均線から離れるように上昇し、長期MAに対して短期MAもやや遅行して上向きに発散していきます。

これを波動理論的に表現すると、「3段上げ3段下げ」の新たな上げ波動のスタートになります。

 

この時に、重要なポジティブ要素を加えるとしたらラインです。

意味ある高値から引いた上値傾向線が、ほぼ収束する位置で短期MAと重なるチャートが、非常に良い反応をします。
(多くのケースでこのラインはトレンドラインになります)

18時過ぎからの上昇は、まさに上値傾向線と収束した短期MAの価格が重なっています。

(この時、長期MAと短期MAの収束が甘い(乖離がある)場合、高値からの日柄が短く、よほど相場に勢いが無いと戻り売りに押されてダマシになってしまいます)

 

また、少し遡って昨日の朝5時のポイントも、収束した長期MAと上値傾向線が重なっていました。

底打ち」から「上昇トレンド予備軍」に転じて、株価が長期MAを上抜けた瞬間が買いポイントでした。

下降から上昇に転じた初動買いのポイントです。

(4時以降の上げ幅が大きかったので長期MA付近は確定売りに押されて揉み合いました。
理想的には、株価のボラティリティを伴わずに、短期MAは緩やかに上昇しながら長期MAに収束する動き。)

このように、複数移動平均線がグランビルの法則通りの綺麗な動きをしている場合、ラインとの重なりが売買ポイントを見極める上でも、反応の確率を高める上でも重要になります。

これは日足チャートでも共通しています。

 

更にライン以外の指標を重ねるとしたら、初動の場合は、

① ボリンジャーバンドの収束
② ダブルボトムの確認
③ 一番底と二番底の間の高値(ネックライン)が長期MAと同じ価格に重なる
④ フラットやアセンディングトライアングル等のフォーメーションの形成
⑤ 不自然に行き過ぎたろうそく足が無い

これが最強の初動です。

また、押し目の場合は、

① 短期MAの角度が出来るだけ横ばいか横ばいに近い
② 高値からある程度の時間経過
  (日足の場合は短期MAの角度が穏やかだと2~3か月で短期MAが長期MAとの収束に達する)
③ 不自然に行き過ぎたろうそく足が無い
④ 一目均衡表が三役好転

これが最強の押し目です。

なお、押し目の場合、DCして「下降トレンド」にポジションが転じた後に株価が上昇してくる場合があります。

下落した株価が移動平均線から離れすぎて、短期MAまたは長期MAまでの値幅が出てしまっている場合は、どちらかの移動平均線がレジスタンスになってしまいます。
再び「上昇トレンド」へ戻るには、相場やその銘柄に相当の勢いがない限り逆流現象は起こりません

ちなみに、DCが売りシグナルとは限らないケースがあります。
DCの真上(猶予は3日)を株価が上抜けて行場合、「収束ポイント上抜け」として強い上昇を伴う動きもよく見られます。
⇒ 参考「デットクロスは売りではない」

 

仕掛けるタイミングは、初動の場合は「上昇トレンド予備軍」、押し目の場合は「上昇トレンド」に局面が移行した事実を確認してからとします。
(上に位置する方の移動平均線がレジスタンスになる可能性があるからです)

また、2本の移動平均線が収束する局面は、その後の発散を狙える局面ではありますが、裏返すと逆方向に動く可能性がある局面でもあります。
ポジションの移行がダマシになり、逆向きに発散する勢いは損失を拡大させますからリスクへの対応は必要です。

2本の移動平均線と株価の位置関係を6つのパターンに分類し売買タイミングを計ることは、テクニカルの原則に則った非常に効果的な手法です
(「移動平均線の新しい読み方」、野坂晃一著)

<2019年5月24日、追記>

5月24日朝、引け後の日経225先物の5分足チャートです。

上記21日に記載した以降のチャートです。

押し目でトレンドが出た株価は、上昇は2段を経て翌日前場に「下降トレンド予備軍」になり、一旦は「上昇トレンド」に逆流したものの、「下降トレンド」になりました。

125MAがしっかりと下向きに転じましたので、DCして下に位置する25MAは125MAに対して下向きに収束と発散を繰り返しています。

現在(引け時点)では、「底打ち」で125MAが僅かに角度が緩やかになってきましたので、現在下向きの25MAが上向きに転じて125MAに対して収束してくれば、「上昇トレンド予備軍」になります。

(足が短いので細かなポジションのダマシが多い)

高値から4段目の下げになりますので、波動的にはそろそろ反発がありそうです。

<2019年5月24日、追記>

日経225先物の5分足チャートです。

上記24日朝のチャートのその後になります。

夜間の引け時点で「上昇トレンド予備軍」でしたが、日中の寄付きから株価は125MAを上抜け、その後「上昇トレンド」に転じています。

株価はトレンドに乗って上昇しています。

一時、「ピークアウト」しましたが再び切り返し、125MAに対して25MAが発散する強い上昇となっています。

いずれ、「ピークアウト」を迎え、25MAは上昇角度は緩やかになり、125MAに向かって収束して行きます。

その時に、再び「上昇トレンド」に逆流する瞬間が押し目になります。

コメントを残す