戻り高値の目安となるチャネルライン(2019年1月11日)

トレンドラインとチャネルライン

日経平均株価の2019年1月11日引け後の日足チャートです。

昨年末の急落後、戻りが短期のトレンドライン(ライン②)を転換してきました。

この上昇はまだ戻りの域を出ませんので、再び下値を試す可能性があるという前提で見ていく必要があります。

このまま上昇した場合、上には25日移動平均線が、また心理的な節目の21,000円がレジスタンスとして位置しています。

さて、12月27日の投稿で、急落の安値(12月26日)は、10月2日高値を起点とするインターナル・トレンドラインの下値傾向線がレジスタンスになったと記載しました。

日経平均株価はインターナル・トレンドラインを(2018年12月27日)

 

しかし、日柄経過に伴い、短期のトレンドラインが明確になってきたことで、その下値傾向線が下値のサポートになっていた可能性が出てきました。

以下は、中期・短期の各トレンドラインとその下値傾向線です。

ライン①が先に記載したインターナル・トレンドラインです。

ライン②下値傾向線で、急落時(12月26日)の安値のサポートになっています。

実は、この時点で、12月3日高値を起点とし、12月13日高値を通過する短期トレンドであるライン③は既に存在していましたが、期間が短いためにラインを延長した際の到達点にブレが生じやすく、信頼性が低いために採用していませんでした。

しかし、1月9日のろうそく足が出来たことで、ライン③の傾きが確定しました。

そして、ライン③の下値傾向線ライン④を、短期上昇の起点となった11月21日の安値に合わせることで、結果的に急落時(12月25日)の安値のサポートになったということが事後に判りました。

さて、この場合、ライン③の下値傾向線を合わせるのは、本来ならば12月6日安値となるのですが、突破されたことにより11月21日に当てるのが分析のポイントです。

理由は、これによって生じるチャネルラインが、12月以降の株価の流れに則しているからです。

この考え方を応用すると、下値傾向線から逆に上値傾向線を導出することで、戻り高値を予測することが可能になります。

個別銘柄にこの動きを説明しやすいチャートがあります。
以下は、ユニチカ(3103)の1月11日引け後の日足チャートです。

 

左右のチャートは、どちらも同じチャートですが、基準とするラインを上値傾向線にするか下値傾向線にするかによって、チャネルラインの角度が変わります。

ラインを引くと錯視効果で異なるチャートに見えますが、期間も値幅も全く同じ縮尺です。

まず、左のチャートは、ライン①が高値を起点とした正規のトレンドラインで、ライン②がその下値傾向線です。

10月末頃に数本の安値が行き過ぎ気味にあり、12月の高値もさほどラインが意識されているようには見えません。

それに対して、右のチャートは、先にライン③の下値傾向線を引き、ライン④を上値傾向線とするチャネルラインです。

※ 下降トレンドにおいて下値傾向線から導出されたライン④は、高値を起点としていませんのでトレンドラインとは呼びません。
下降トレンドでのトレンドラインは、必ず特徴的な高値を起点とするのがルールです。

右のチャートでは、ライン④は10月の安値と12月急落時の安値を意識したラインで、上値傾向線も11月、12月のいくつかの高値が意識されています。

ろうそく足の収まり具合も良く、トレンドの流れに綺麗に沿っていると言えます。

このような傾向は個別銘柄において多く見られる現象で、戻り高値を予測する上で非常に重要なポイントとなります。

 

チャネルラインから戻り高値メドの見つけ方

では、同様の手法で日経平均株価を分析してみます。

以下は、ルール通りにトレンドラインを引いたチャートです。

ライン①が中期のトレンドラインで、ライン②が短期のトレンドラインです。

1月9日に高値は僅かにラインを抜けたものの、翌日は陰線が再び割り込んでいます。

9日のトレンド転換が「ダマシ」(スローオーバー)となる動きをしました

次に、下のチャートは、下値傾向線を先に引いたものです。

ライン①の下値傾向線に対して、ライン②の上値傾向線を引いています。

1月9日の高値は、上値傾向線を抜けることなく、高値がラインに当たって跳ね返っています。

どちらのチャートも上値傾向線の角度がほぼ同じなので、微妙な違いが分かり難いですが、下のチャートの方が素直に感じられます。(そう仮定します)

そして、本日トレンドを転換してきました。

 

日経225先物の動きに注意

日経平均株価の転換が本物であれば、まずは25日移動平均線までの戻りが期待できます。

しかし、ここで着目しなければいけないのが日経225先物の動きです。

以下は、1月11日の日中の引け後のチャートです。

ポイントaを起点としたライン①を下値傾向線として、ポイントcに当てたライン②が上値傾向線です。

本日の高値ポイントdがラインに当たっています。

また、12日早朝に引けた日経225先物(夜間)も、同様にラインに跳ね返される結果となっています。

日経225先物が日経平均株価を主導する観点から、日経平均株価は本日戻り高値を付けた可能性があります

週明けから下げ始めたら注意が必要です。

なお、先物に主導されて日経平均株価がスローオーバーしたとしても、トレンド期間が短期であることと、大きな流れに包含された動きであることから、テクニカル的には何ら影響は無いと捉えます。

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