初動の兆候(2282 日本ハム)
三段下げ後のトレンド転換
2018年12月18日ザラ場の日本ハム(2282)の日足チャートです。
2017年6月の高値から下落し続けた株価は、2018年11月7日にトレンド転換しました。
このトレンド転換は5本目のトレンドラインで転換となり、ファンラインの見方からも信頼性は高いと言えます。
また、75日移動平均線に対する25日移動平均線の収束回数は、2017年6月高値から3回となり、三段下げで下落が終了して底値形成に入るという波動の考え方にも合致します。
さらに、逆金融相場、逆業績相場、悲観人気相場の3段階サイクル論にも合致した転換になりますので、底値を見極めるには機が熟した局面が到来したと言えます。
分析ケース1(移動平均線とライン)
直近の詳細が以下のチャートになります。
まず、移動平均線とラインの観点から分析をしてみます。
トレンド転換後、株価は9月末の高値をレジスタンスレベルラインとして意識しながら横ばいに推移しました。
11月末にやや抜けたもののダマシとなり、スローオーバーした高値を新たなレジスタンスレベルラインとして、今週12月17日にブレイクアップしました。
フォーメーションとしてはアセンディングトライアングルです。
このブレイクアップポイントは、ラインと長期の移動平均線である200日移動平均線が同値で重なっています。
レジスタンスレベルラインも移動平均線も、その下に位置する株価に対してはレジスタンスとして機能します。
テクニカル的に2つのレジスタンスが重なるとそれは単独の時よりも強く機能し、そこを抜けるにはより強いパワーを必要とします。
12月17日は、前日のろうそく足に被らず、窓を空けてやや大きめの陽線でブレイクアップしたことから、強い買いが入ったということが分かります。
この銘柄は通常の値動きにおいては、隣り合うろうそく足には連続性があり、窓を空けるケースはほぼ無いという特性があることからも、買いの勢いは強かったと言えます。
下向きだった200日移動平均線は、その下げ角度が緩やかになりほぼ横ばいになっています。
これは、グランビルの買いポイントAに該当し、今後の大きな波動に向けた契機になるポイントです。
(詳細は、グランビルの買いポイントA 参照)
中期の75日移動平均線は既に上向きに転じており、短期の25日移動平均線と併せて3線がほぼ収束しています。
複数の移動平均線が収束した状態は、株価の煮詰まり感を示唆し近く保合い放れの転機となる兆候で、株価が移動平均線を上抜けて、移動平均線が発散に向かうと「移動平均線と株価の分位別株価」からも強い上昇となります。
更に、ボリンジャーバンドの±2σの幅が急速に収束して、現在発散方向に向かっています。
このようにボリンジャーバンドが急速に収束した後に発散すると、株価は+2σに沿って上昇する傾向があります。
今後、上値を更新する動きになれば、大きな下げに対する上昇の初動として期待できます。
分析ケース2(エクスパンディング・トライアングル)
あるいは、11月12日高値をオーソドックスな高値とみなし、エクスパンディング・トライアングルとして分析してみます。
下記は、2018年12月19日引け後の日足チャートです。
エクスパンディング・トライアングルは拡大型トライアングルです。
トライアングルなので、その構成波は3-3-3-3-3です。
現在、第5波の進行中ですが、下値傾向線で反転上昇が確認できれば、エクスパンディング・トライアングルが証明されます。
株価は、11月から上昇方向に進んでいますので、第5波で反転し、上値傾向線を抜けて上昇することが期待されます。
分析ケース3(リーディングダイアゴナル)
また、ケース1と同様に上昇の初動を、エリオット波動のコレクションとして分析をしてみます。
2017年6月からの下落から反転し、エリオット波動第1波であるリーディングダイアゴナルという可能性です。
リーディングダイアゴナルの構成波は、基本的に5-3-5-3-5です。
下記は12月19日引け後の日足チャートにカウントを加えたものです。
個別銘柄の場合、その通りの動きになり難いですが、今後カウントしていきます。
なお、下値傾向線は構成波の第2波と第4波の終点を結ぶラインとなりますので、上記ラインは暫定です。
第4波を確認してから改めて引くことになります。
構成波の第5波の形成後、コレクティブ・ウエーブの第2波の押しの動きになります。
その下値メドは原則ダイアゴナルの始点付近ですが、下落が長期間に渡り大底感もあることから、下に位置する75日移動平均線や先行スパン1がサポートになる可能性もあります。
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