Ⅴ-3-3.MACD (Moving Average Convergence-Divergence)

Ⅴ-3-3.MACD (Moving Average Convergence-Divergence)

コンバージェンスは収束、ダイバージェンスは発散を意味する。
日本語では移動平均収束発散法、または移動平均収束拡散法と呼ばれる。
代表的なモメンタム・オシレーターの1つ。

MACD=12日EMA-26日EMA (EMAは指数平滑移動平均)
Signal=MACDの9日EMA
ヒストグラム=MACD-Signal

指数平滑移動平均は単純移動平均よりも計算式が簡単であるが、単純移動平均が実際の価格推移の変化よりも大きく遅行し、遅行性を克服するために計算期間を短くするとダマシが増える可能性があることを考慮して、現在でも指数平滑移動平均で計算する場合が多い。

MACDの計算期間は、12日と26日の組み合わせを多用。
Signalは日本では9日を用いることが多い。

モメンタムは当日-過去の値で、過去の値を基準として現在の値を比較したものだが、雑音的変動を含んでいる。雑音的変動は、平均値を取れば除去できる。

MACDは平準化した移動平均乖離を表していることになる。

短期移動平均は長期移動平均よりも先に動くので、価格が上昇トレンドにある時は大半の期間で短期移動平均が長期移動平均の上にあり、MACDが正の値になる。
逆に、価格が下降トレンドにある時は大半の期間で短期移動平均が長期移動平均の下にあり、MACDは負の値となる。そしてその絶対値が大きいほど、トレンドが強いことを意味する。

MACDは価格トレンドの方向を示しており、その大小は同トレンドの勢いを表している。よってMACDのヒストグラムの増減は価格トレンドの勢いの増減を表していることになる。
つまり、MACDが正の値の時に、ヒストグラムが正ならば価格は上昇が加速しており、負ならば上昇が減速していることになる。

MACDが負の値から正の値に転じる所が、下降トレンドから上昇トレンドに転じるポイントであり、買いのタイミングとなる。またMACDが正の値から負の値に転じる所が、上昇トレンドから下降トレンドに転じるポイントであり売りのタイミングとなる。

しかし実際には、MACDの正負の転換点は価格推移の転換点よりも大きく遅行しており、むしろMACDのピークアウトと価格推移の天井、あるいはボトムアウトと底打ちが近接している場合が多い。
経験則的に最も有効性が高いのはMACDのピークアウト、もしくはボトムアウトである。
しかし、実際には判別しにくいケースも多い。

ダイバージェンスが発生したからといってすぐに相応のポジションを建てれば失敗することが多い。反転後の相場展開を予想し、その準備をするシグナルと考えれば十分に価値あるシグナルともいえる

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