Ⅴ-1-1.トレンドについて
Ⅴ-1.トレンド分析
Ⅴ-1-1.トレンドについて
トレンド: 傾向・動向・方向・流行・風潮・情勢などといった意味である。
将来のトレンドは過去や現在のトレンドを調べ予測することが求められる。
経済変数の時系列を眺めると多くの場合トレンドとその周りの循環的な変動の部分とから成り立っていることが分かる。
統計学の分析が不可欠。
テクニカル分析は市場価格の時系列そのものでなく、それをチャートという図形に表すことによって、分析能力が飛躍的に高まる。人の能力において図形をつかむ脳の働きは右脳によるところが大きいためだ。
従って、トレンドの概念を株価分析に用いるのは、トレンドを把握することによって、株価の方向性を探るツールとして利用する。
1. トレンドの分類と呼称
① トレンドの方向性による分類と呼称
上昇トレンド: 株価が右肩上がりで上昇
下降トレンド: 株価が右肩下がりで下降
横ばいトレンド: 株価が一定の価格の範囲で往来を続け、水平的な推移をたどる
目先のジグザグの動きをたどるのではなく大勢観を持って相場に対峙することが大事である。
コツは株価の推移を帯状(ベルト)でつかむことである。
② トレンドの期間による分類
短期トレンド: 日足で観測される数週間以内に消滅するもの
中期トレンド: 週足で数か月~半年程度続くもの
長期トレンド: 月足で1年~数年続くもの
長期トレンドが上昇トレンドなら、それを構成するより一段小さい中期トレンドは中期上昇トレンドとなり、長期とトレンドと同じ方向になる。
そして、その中期上昇トレンドを修正するのは短期下降トレンド(修正トレンド)となり、長期・中期トレンドとは逆方向のトレンドとして位置付ける。
逆に長期下降トレンドの構成は中期下降トレンドとそれを修正する短期上昇トレンドである。
長期トレンドの構成は中期および短期トレンドを包含する。その中期トレンドは修正トレンドの短期トレンドを伴う。
長期トレンド: 中期トレンドが内包される
中期トレンド: 短期トレンドが内包される(長期・中期トレンドと同じ方向性)
短期トレンド: (修正トレンド)、(長期。中期トレンドと逆の方向性)
長期トレンドでも「相対的期間」で見ると、中期上昇トレンドとして位置付けられることもある。
その際、相対的な長期トレンドはメイントレンドと呼ばれることもある。
なお、短期的取引が市場で大きなウエートを占める現在、分刻みやリアルタイムの足に見られるトレンドは超短期のトレンドと言っても差し支えないが、本来のトレンド分析に利用する視点から考えると、短期的取引における超短期のトレンドの消長は極めて短く、相場の大勢観をつかむには不向きである。
③ 相場の強弱によるトレンドの呼称
上昇トレンド: 強気トレンド、強気相場
下降トレンド: 弱気トレンド、弱気相場
横ばいトレンド: 持ち合い相場、往来相場、膠着相場、トレンドレス