再び25MAを上抜けて上昇の兆し(2021年3月12日)
まだ買戻しが主体(2021年3月13日)(10:00)
・2021年3月12日、日経平均株価の日足チャートです。
今週の株価は25MAよりも低い水準で小幅に揉み合っていましたが、本日は揉み合いから放れて25MAを上抜けてきました。
この揉み合いの期間中も終始25MAは上向きであったので、短期的には弱含んだもののトレンド維持です。
また、長期の200MA、中期の75MAの各移動平均線の傾きも上向きであることから、強いトレンドは継続と判断できます。
また、SQ値を上回って引けていますので、上昇期待は高いと思われます。
しかし、この上昇はシステム的な買戻しと考えられますので、週明け以降の動きを確認する必要があります。
・本日の上昇を30分足で確認すると動きがよく分かります。
11日木曜日までは水平の抵抗線に高値を抑えられるアセンディングトライアングルを形成していましたが、寄り付き早々に上方ブレイクしてきました。
この時点が買いが入っています。
その後、日足25MAを試したものの抵抗になって押し戻されたものの、後場から一気に上昇が加速しました。
これは空売りの買戻しによる影響が大きいと思われます。
週明け月曜日の気配が高ければ、更に踏みあがって上昇するものと思われます。
但し、それは買戻しであるので、実需の買いが付いてこないと失速する可能性があるので注意が必要です。
・目先では25MAの上をキープできるか、また2月16日高値からのトレンドラインをしっかりと上抜けことができるかどうかが注目されます。
なお、2月24日高値を起点とする抵抗線も想定されましたが、本日は抜けてきたのでこの抵抗線は消滅です。
この動きは、25MAをベースとしたグランビルの法則にしたがった動きになりますので、トレンドラインを上抜ければ、株価は25MAに対して発散方向、つまり上昇していくことになります。
その場合、2月16日高値30,714円を超えることができるかどうかが、重要なポイントになります。
この高値を更新すれば、バブル以降の最高値更新となり、またダウ理論の上昇が成立しますので、株価は勢いを増して上昇するものと思われます。
・また、上記トレンドラインを抜ける水準ではパラボリックが好転します。
ゆらぎ期間を経て好転が続けば、加速していきそうです。
・ボリンジャーバンドは、収束気味から横ばいになっています。
収束が中途半端なので、ここから発散に向かっても、さほど勢いは出ないと想定されます。
そういう意味では、やはり2月16日高値水準が意識されることになりそうです。
・今後の上値メドとしては、2月16日高値付近、またはボリンジャーバンド+2σ、エンベロープ+7%が想定されます。
2月16日高値を抜けなかったとなった場合、失望売りとなるので、一旦は75MA付近まで反落する可能性もありそうです。
3月5日安値28,308円がネックラインとなるダブルトップにも注意です。
ネックラインと75MAはほぼ同じ水準なので、ここを割り込むとボリンジャーバンド-2σを割り込むことになるので、ブレイクダウンに注意が必要となります。
下には主なサポートがありませんから、200MA付近までは下げる可能性もあります。
・なお、先週後半から今週初めの反落で相場を悲観する見方も多いようですが、現在のチャートでは反落することはあっても、すぐさま下降トレンドに転換するような動きになりません。
長期200MAと中期75MAの傾きが上向きで、中長期的には上昇トレンドの最中であることと、200MAと75MAの乖離がまだ大きいことが理由です。
悲観する見解が、どの程度の下げを指しているのかは分かりませんが、余程の原因がない限りにおいては暴落する懸念は低いと考えられます。
上昇トレンドにおける反落と、下降トレンドへの転換など、言葉と意味の定義が曖昧なままテクニカル分析を無視した主観的な表現には注意が要りそうです。
本当に下降トレンドに転換する際のチャートには、特有の形状がありますので見極めは難しくないでしょう。
・一目均衡表は遅行スパンの逆転は免れています。
転換線は逆転したままですが、株価がこのまま上昇を続ければ、株価に沿って遅行スパンは上昇し、高値更新とともに安全地帯に抜けそうです。
いずれにしても弱含む動きは一旦解消されましたが、本日がSQであったことと、買戻しが主体であることから、来週以降に買いが入るかどうかに注目です。