日経平均株価、長期下落波動の入り口へ(2020年2月28日)

※ 当サイトは週末金曜日の投稿をベースに日々の動きを追記として書き足す形式で記載しています。

<2020年3月5日、追記>(18:20)

・2020年3月5日、日経平均株価の日足チャートです。

NYダウの上昇を受けて高く始まりましたが陰線引けです。
ダウ理論では終値を重要視しますが、本日は終値比較では上昇していますが、依然として相場の様相は弱いままです。
5本のろうそく足によるレンジ内の動きが続きそうです。

 

 

<2020年3月4日、追記>(15:30)

・2020年3月4日、日経平均株価の日足チャートです。

下から始まったものの3月2日安値20,834円を目前にして僅か28円手前で下げ止まり、本日のところは底割れ回避です。
引き続き底割れが懸念されます。

今、最も警戒される要因は日本に対する米国等の何らかの入出国に関する制限です。
発表された時点で底割れ、急落は避けられないと思われます。

・夜間の日経225先物がマネーゲーム化しています。
出来高は増加し、ここ数日は高いボラティリティが望めるため、投機的な資金が流れ込んでいるようです。

そのような状況でも、先物の売買ポイントは上値や下値のメドも含めて、テクニカル的に非常に素直な動きをしているので予測が容易なのが特徴です。
(ここ数日は作為的と思われるダマシが多いので要注意です)

昨夜は深夜0時の時刻をトリガーに、15分間の間で上昇下降ともに400円、計800円ほどの乱高下がありました。

テクニカルポイントでダマシを誘発した後、ロスカットを巻き込みながら逆を狙う手口でしたが、今の相場において着目度の高いテクニカル指標を押さえ、大局のシナリオを事前に描いていれば、乱高下に見えるものの素直な動きであったことがわかります。
目先的な手口はころころと変わるのですぐに通用しなくなります。
しかし、基本的な分析手法を踏まえておけば恒久的に使えるので、その有効性は変わりません。

 

<2020年3月3日、追記>(15:10)

・2020年3月3日、日経平均株価の日足チャートです。

本日はGUして高く始まったものの戻り売りに押されて陰線です。
買いの主体は空売りの買戻しで、多くの銘柄が陰線引けしています。
リバウンドを狙って飛びつくと途端に含み損を抱えやすいのが今の相場です。

基本的に上昇する要因がありません。
金融緩和の発表について反応しても決定打ではないためすぐに冷めます。

これから様々な経済統計の発表があり都度株価が反応しますが、基本的に下降相場では戻りは売り、上昇相場の押しは買いなので、超短期目線の買い以外は大きなリスクが伴います。

二番底探りの動きが底割れに繋がる可能性があるので警戒です。

 

<2020年3月2日、追記>(15:10)

・2020年3月2日、日経平均株価の日足チャートです。

先週末の流れを受けて300円ほど下からのスタートとなりました。

売り疲れやウイルス報道疲れ、日銀談話、そろそろ感やリバウンドを虎視眈々と狙っていた買い方と空売りの買戻しから反発しました。

下記の2月28日付け本文に添付したチャートのように、株価は先週末に2016年6月安値からの長期下値支持線を下方ブレイクしましたが、本日はこのラインを上回っています。

見方をチャネルラインの観点に移すと下記のようなチャネルがあります。

このラインは長期的なチャネルラインで、本日の動きはリターンムーブと思われます。

抜けず割らずで保合うことになれば、数日間はこの辺りで乱高下しながら揉み合いが続くことも考えられます。
その場合の上値メドは2月28日に空けた窓の上限の21,844円と想定されます。

しかし、元のロアーチャネルラインを明確に上抜けることが無ければ、もう一段下落する可能性が高まり、本日の安値20,834円割れが下落のトリガーとなります。

まだ、追証売りをこなしたセリングクライマックスは到来していないと思われますので引き続き警戒が必要です。

なお、先週からの下落に対する底打ち確認は、二番底を確認するなどフォーメーションの観点から判断する必要があるため、超短期以外の買いには大きなリスクが伴います。

 

<2020年2月29日、追記>(11:30)

・29日朝、引け後の日経225先物の日足チャートです。

金曜日の15:15から更に375円下落し、日経平均株価と同様に下値支持線を下方ブレイクしました。

週明けの日経平均株価は週末終値よりも更に安い価格からスタートしそうです。

今週の下落の影響で来週は追証売りの波が来ます。
どこかでセリングクライマックスとなる長い下ヒゲが出て、テクニカル的にリバウンドする動きがありそうです。

しかし、新型コロナウイルスが好転する兆しが全く無いことから、すぐに二番底を確認する下落に転じてリバウンドは通常よりも短期になると思われます。

戻りで買いポジションを解消するか、新規売り建てをする局面になりそうです。

 

長期サポートラインを下方ブレイク(2020年2月28日)(15:50)

・2020年2月28日、日経平均株価の日足チャートです。

先週末と比較して株価は2,500円ほど下落しました。
本日は一時的に21,000円を割り込んだものの引けでかろうじて戻しました。

 

・トレンド分析の観点から、1月12日の高値以降それまでの中期トレンド(上昇)に伴う修正トレンド(下降)に移行していましたが、今週は修正トレンドを大幅に下方ブレイクしたことで長期トレンド自体の転換が危惧されます。

株価は200MAを明確に割り込み、テクニカル的に支えとなるポイントを次々に突破しています。

目先で最も重視されたポイントは、2016年6月24日安値14,864円を起点とした下値支持線です。
このラインは長期に渡り、
2019年8月26日の安値がこのラインに支えられたことから、テクニカル的にも意識度合いが強く「最後の砦」になると考えていましたが、あっさりと割り込んでしまいました。

残るサポートポイントは2019年8月安値の20,110円です。

 

・移動平均線は25MAと75MAがデットクロスし、株価は2本の移動平均線から大きく下方乖離しています。
200MAからの乖離も大きくなっています。

株価が下落する速度が速く期間も短いため移動平均線は株価に追いついていません。
25MAと75MAはまだ収束した状態なので、これから2本の移動平均線が発散方向に向かうことになります。

現状では、移動平均線はトレンドの方向だけを示し、株価に接近するまで支持抵抗としては機能しません。

多少の短期的なリバウンドがあっても株価は上昇に転じることはなく下落基調が続きます。

昨年10月から上向きが続いていた200MAは、昨日27日から下向きに転じて長期トレンド(上昇)の転換を示唆し始めています。

 

・週足では株価は13MAと26MAと52MAを、月足では12MAと24MAを既に割り込み、かろうじて月足の60MAだけが下の20,200円付近に位置するだけとなりました。

この20,200円付近には、次のサポートポイントとなる8月26日安値の20,110円がありますので、ひとまずは下値のメドとして意識されそうです。

しかし、下値メドとして反発に期待するというよりは、むしろ投げを誘発するトリガーとして警戒すべきです。
一時的にサポートとして意識されて下げ止まることがあったとしても、下方ブレイクすると一気に売りにつながるからです。

 

・長期波動という観点から、2012年12月から7年間続いた上昇トレンドが終焉したとするならば、下降相場が落ち着くまでには相応の年数を要すると思われます。

「谷-山-谷」の一連の流れをサイクルで見た場合、2012年からの上昇がかなり強気であったことを踏まえると、強気パターンのトランスレーションが想定されます。

今年1月を山としてライトハンド・トランスレーションになると仮定しても、次の谷は7年間より短いものになりそうですが相応の年数をかけて下落すると考えられます。

いずれにしても、長期トレンドを示す200MAが明確に下向きになれば長期の下降相場が到来します。

目先の状況を鑑みると、
終息の兆しが全く見えない、ファンダメンタル的な統計はまだこれから発表されること。
加えて、経済への第2、第3の影響がまだ顕在化していないことから、
何かが好感されるような状況にはならず、多少のテクニカル的は反発はあったとしても当面は楽観はできる状況ではありません。

 

・一方で、グランビルの法則の観点から見ると、現在の200MAはまだ横ばいなので、株価が反転して200MAをしっかり上抜けてくるならば、下落が回避されてまだ上昇に転じる可能性が残ります。

その際の株価や移動平均線の動きは、2015年8月のチャイナショックの時の動きに似ています。

当時の移動平均線(25MA、75MA、200MA)の傾きや株価との位置関係は現在とほぼ同じなので、当時のチャートイメージが参考になります。

但し、仮に下落が回避されたとしても、昨年末までの上昇と現在の大幅な下落の値幅を調整するために日柄が必要になります。
ですから、いきなりの急上昇とはならず、最低でも6か月程度の保合い期間を経て調整を挟まないと次の動きにはならないと考えられます。

・さて、株価の乖離をエンベロープで確認すると25MAから10%近く乖離しています。

過去5年間で-10%に達した局面は、チャイナショック、トランプショック、ブレグジット、貿易摩擦の4回しかありません。

現在の乖離率は最大値に近いですが、エンペロープの傾きが大きく株価はエンベロープに沿って下値を切り下げる動きが予測されます。

そのため、リバウンドに期待した安易な逆張りは注意が必要です。

なお、そろそろ世界中で一定の潜伏期間が終わり発症が確認される頃です。
週末をはさんでEUでイタリア以外の感染拡大や、米国の市中感染の広がりが報道されると、週明けは更に下落することになりそうです。

サブプライムショックの月足60MA割れをイメージしておくことが重要です。

 

余談ですが、
下落が落ち着き、保合い期間が経過して次の動きに繋がるタイミングは、日柄的に米国大統領選挙と重なります。現米国大統領が再選されることはほぼ間違いなく、アメリカファーストがさらに加速するとNYダウの堅調は続きます。その頃には新型コロナウイルスもある程度終息して日本株も余波を引きずりながらも堅調に戻ると思われます。
しかし、米国のアジア戦略の転換に日本が巻き込まれる事態になると、いまだかつてないほどの経済的逆風が吹き荒れ、NYダウと日経平均株価が連動するとは限らない相場が到来しますので、中期目線では今年6月以降の波乱を想定しておく必要がありそうです。

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