日経平均株価、三角保ち合いのブレイク待ち(2019年10月11日)
<2019年10月15日、追記> (15:03)
・2019年10月15日の引け後の日経平均株価の日足チャートです。
寄付きはGUして22,000円を一気に跨いでの上昇となりました。
場中は特に押すこともなく強い展開でした。
終値ベースで9月19日高値まで61円、4月24日高値まで168円に迫っています。
目先はこの付近で揉み合いそうですが、9月のように連騰となり突き抜けてしまう可能性もありますから、今後の値動きに注目です。
ボリンジャーバンドが急速に収束していましたが、今日の上昇により+2σが発散方向に変化してきました。
上昇が続くと株価は+2σに沿って上値を切り上げることになります。
あるいは、+2σは4月24日高値と同じ水準であることから強いレジスタンスとして機能することになるかもしれません。
なお、昨年10月2日高値を起点とする斜めの上値抵抗線は、上方ブレイクしたことで消滅です。
まずはアセンディングトライアングルのブレイク待ち(2019年10月11日)
・2019年10月11日の引け後の日経平均株価の日足チャートです。
昨夜のNYダウと日経225先物が上昇した流れを受けてGUして高く寄り付き、一時押されたものの後場には切り返す動きとなりました。
直近の9月19日高値22,255円と10月4日安値21,276円の中間値となる21,766円を僅かに上回る水準です。
中間値を抜けたことにより、10月安値からの反発力は弱くはなく、目先は9月高値を試す動きになると思われます。
株価は日々の様々な事象を好感したり嫌気したりしながら、それを表面上の理由として反応しています。
今はなかなか方向感が見え難いチャートなっています。
・このような相場では目線レベルを上げて鳥瞰した目線で見ていくことも重要です。
まず、長期のトレンドを見る月足チャートでは60MAが上向いており、長期的には2012年末から始まったアベノミクスを契機とした上昇相場はまだ継続している状況です。
若干、60MAの角度が緩やかになりつつあるのが気になりますが、24MAと12MAは60MAに対して綺麗に収束と発散を繰り返し、単線でも複数線でもグランビルの法則に則した動きが確認できます。
現在は200MAが上向き始めてから2度目の収束局面を迎えています。
つまり、日足がここ1年近く方向感なく持ち合っているという状況は、月足で言うところの2度目の上昇波動が終わった後の調整局面(押し)に該当しているからということになります。
(ピークからろうそく足で13本になります)
株価は12MAにも支えられており、まだ60MAを割り込む気配を見せていないことから、長期的にはすぐに下降相場に転じることはないと考えられます。
現在、株価の上に位置する24MAが上値抵抗となっていますので、ここを上抜ける勢いが出てくれば3度目の上昇波動に入る契機となる可能性があります。
・週足チャートは、日足チャートに近いイメージになりますが、13MAと26MAそして52MAの3本の移動平均線がほぼ収束している局面で、今週のろうそく足は3本の移動平均線を下値支持にしながら陽線となっています。
先週の陰線も安値は移動平均線に支えられていました。
株価と移動平均線の関係から、中期的には「上昇トレンド」と位置付けられ、来週のろうそく足も現状では3本の移動平均線の上に位置すると思われますので、中期的にも弱くはない相場と考えられます。
以上の様に、月足チャート、週足チャートから相場は長期的には上昇相場、中期的にも弱くはない相場(強いとまではいえない)であることが確認できます。
・次に日足チャートをここ1年間で鳥瞰すると、株価は昨年10月2日の高値をピークに大きく横ばいに推移して揉み合う動きになっています。
これをフォーメーションの観点から見た場合、3つのフォーメーションが想定されます。
まず1つ目は、昨年10月2日高値を起点とした上値抵抗線と、昨年12月末の安値を起点とした下値支持線によるシンメトリカルトライアングル。
次に2つ目は、昨年12月3日高値を起点としたシンメトリカルトライアングル。
そして、3つ目に4月24日の高値を水平ラインとしたアセンディングトライアングルです。
このうち、1つ目の昨年10月2日を起点とするトライアングルは、上値抵抗線を株価が意識しているようには見えないことから優先度は低いと思われますので除外します。
ただ、目先ではこの上値抵抗線の延長がレジスタンスとして意識される可能性がありますが、現在のところは単なるレジスタンスラインの一つとして見ておく程度で良いと思われます。
2つ目の12月3日高値を起点とするトライアングルは、9月19日の高値がブレイクしたので消滅となります。
代わりに9月19日を通過点とするラインに置き換えることも出来ますが、それであれば3つ目の4月24日高値を水平ラインとするアセンディングトライアングルの方が形状として素直なので3つ目を優先します。
(この19日を通過するラインも目先はレジスタンスとなる可能性があります)
水平ラインの方を優先するのは、斜めのラインよりも水平のラインの方が、比較する価格も明確で、多くの投資家が視覚的に認識しやすいので、レベルラインとしての有効性が高くなるからです。
そのため、アセンディングトライアングルのような水平ラインを上方ブレイクする場合、株価は出来高を伴って急上昇することが多いです。
・アセンディングトライングルは、コンティニュエーションフォーメーションの中の三角保ち合いの1つで、上値は一定で下値が徐々に切り上がる形をしていて、上昇トレンドの一時休止状態に現れるので「強気のフォーメーション」と言われます。
特徴としては、基本的にトライアングルを形成する前の進行方向が、トライアングル後の進行方向を決定づける傾向があることから、上方にブレイクする可能性が高く、これまでのトレンドの再開が期待されます。
つまり、現状が強気のフォーメーションであるとするならば、トライアングルを上方ブレイクすれば、昨年10月のピーク以前の上昇トレンドの再開となることになります。
・以上のことから、現在の日足チャートにおける方向感のない動きは、中期・長期的な上昇相場における調整局面に該当すると解釈できます。
そのため、上値目線で想定するならば、トライアングルを上方ブレイクをすると、株価はまずは昨年10月の高値24,448円を目指す動きとなり、月足チャート的には、数年間におよぶであろうもう一段の上昇が期待できることになります。
但し、日々の値動きとしては、9月19日高値がレジスタンスレベルになったり、上記2つのシンメトリカルトライアングルの上値抵抗線があったり、加えて心理的にキリの良い価格がレジスタンスになったりして、より小さな波動で細かく上下する動きとなります。
この細かな上下は日々発信される事象に起因するものが多いので、大局に影響しない限りは一喜一憂することなく無視することが出来ます。
このように目線のレベルを上げて鳥瞰すると、目先の値動きは単にトライアングルのレンジ内を推移するブレとして捉えられます。
・一方で下値目線で見ると、2016年末から上昇を始めた日足の200MAは、2018年10月をピークに下降波動となっています。
下降波動であるとすると、アセンディングトライアングルの上値抵抗線は戻りの限界レベルとなり、トライアングルを下方にブレイクすると、日足レベルではもう一段の下げがあることになります。
(あるいは下値支持線をロワーチャネルとしたハイアーチャネルラインが戻りの限界レベルに)
その場合下値は、まず月足の52MAが位置する心理的な節目でもある20,000円付近で支えられるでしょうが、そこまで下げると2016年6月安値を起点とする下値支持線をも割り込むことになるので、更なる下落に対する警戒が必要になるので要注意です。
・さて、株価はパラボリックのSARを転換しそうな水準まで上昇してきています。
株価がSARを上回ると買いスタンスに転換となります。
今後、22,000円と9月19日高値を目指す勢いがあれば加速していきそうですが、SARの転換直後は多少の揺らぎがありそうなので、加速が確認できるまでは状況を見ていくことになります。
・ボリンジャーバンドは9月の急上昇によって大きく発散していましたが、今週揉み合ったことで急速にボラティリティが低下して収束方向に向かっています。
8月頃の動きと株価の方向性が逆になったような動きを想定するならば、もう少し収束した後に発散方向に動き始めたらトレンドが出る可能性があるので注目です。
まずは、今後の方向性を示唆するアセンディングトライアングルの上値抵抗線、もしくは下値支持線のブレイクを確認することになります。
・相場の方向の確認は以上になりますが、現実の投資においては投資スタンスに合わせた時間軸の選択と分析手法の有用度合いを見極めることがポイントになります。
トライアングルの値幅はまだ大きいのでどちらにブレイクするにしても時間を要しそうなので、目先の値動きは目線を更に落として5分足などで確認していくことも可能です。
例えば、日経平均株価の5分足はチャネルラインや、直近の意味あるレベルラインを意識した動きが見られます。
また、サポートとレジスタンスの逆転現象も重要です。
分足の分析には様々な手法が混在し、それが随時入れ替わりながら意識されていますので、時々の優先度が高い指標を重視して、常にいくつかの動きを先読みしながら予測することが重要です。
しかし、日経平均株価は日経225先物に先導される傾向がありますので、実際には先物のチャートを優先した方が判断しやすいと思います。
なお、日経平均株価を直接売買できませんので、先物や派生する商品を手掛けるか、相場の流れとして捉えるにとどめることになります。
個別銘柄の場合は日経平均株価との連動、非連動の関係もありますので、超短期で個別銘柄の動きを予測にはその他の指標も組み合わせて判断する必要があります。
<21:50>
・日経225先物はチャネルラインで動いています。
以降はまた異なる動きをするので順次、意識される指標を探っていきます。
このような見方は、チャートの時間軸に関わらず有効です。
<2019年10月12日、追記>
・夜間の日経225先物は、新たに出現したチャネルラインを次々に突破するほどの強い上昇となりました。
結果、9月の高値を上抜けたものの、引けでは押されて中途半端な上ヒゲをつけました。
このまま新たなニュースに影響されることがなければ、日経平均株価の上昇は続くと予測されますが、日本市場は週明けの月曜日は休場であることから、月曜日夜間のNYダウとCMEの日経先物の動きを確認しておく必要があります。
ただ、昨夜の上昇にはやや過剰感があり、またエンベロープも乖離が過大になっていたことから、多少の冷却が入ると思われ、休み明けの日経平均株価はGUはするものの22,000円を試す水準で、9月高値を上抜けるほどの上昇になるかどうかは分かりません。