日経平均株価が先導するもTOPIXは動かない相場(2019年4月17日)
<2019年4月22日、追記>
先週、22,000円を軽く超えたものの、本日前場は小動きになっています。
先週、暫定的ではありますが、特徴的な高値が出来ましたので、新たなチャネルラインが出現しました。
目先の高値、安値のメドとして機能しそうです。
<2019年4月18日、追記>
4月18日引け後の日足チャートです。
本日は、日経平均株価、TOPIXともに陰線となりました。
TOPIXは25日移動平均線がサポートになっています。
ボラティリティの範囲内ではありますが、弱含んでいますので、心理的サポートとなる22,000円で切り返すことができるかどうか。
値がさ株の買戻しによる日経平均株価の上昇
日経平均株価の4月17日の引け後の日足チャートです。
先週まで心理的に節目となる22,000円の大台を抜けるかどうかが、今後の相場の強弱を判断する一つの基準となっていました。
暗黙のコンセンサスです。
しかし、先週末の強い先物の流れを受け、週明け4月15日の日経平均株価は、気配値が徐々に切り上がり、寄付きから22,000円の節目を大きく抜けてスタートしました。
相場の動意が強い時は、明確に意識されているテクニカルポイントを跨ぐようにGUすることが良くあります。
(例えばトレンド転換や、移動平均線抜けの局面)
これは、相場の強さを示唆します。
本日まで、日経平均株価の上昇を牽引してきたのは、日経225先物です。
言わば「力業」的に先物に先導され、下げては再び切り返す動きを続けながら上昇してきました。
この先物先導の相場に対して、疑心暗鬼になりながらも、22,000円という価格が、一つの大きな壁として意識していたわけですが、週明け15日の想定外に強い気配値に売り方、買い方が反応した結果と言えます。
今週、日経平均株価の上昇を誘導したのは、225採用銘柄の中でも値がさ株(特にファーストリテイリングやソフトバンク)です。
(ファーストリテイリングには先週までに大量の空売りが入っていたことから、今週の上昇は明らかに踏み上げに因るのもです)
しかし、日経平均株価とTOPIXの今週の動きをチャートで比較してみると、日経平均株価は上昇しているにも関わらず、TOPIXは依然として横ばいから抜け出せずに停滞していることが分かります。
このことから、買いが日経平均株価の算出に大きく影響を与える銘柄に集中し、全体には及んでいないということが分かります。
ある意味で、日経平均株価は作為的に動かされているようにも見えます。
このような動きと似た動きが過去にもありました。
2013年5月23日に、現在と同様に先物が主導するかたちで日経平均株価が上昇しました。
『日経平均株価が上昇しているにも関わらず、その他の個別銘柄には上昇感が全くない』という違和感があるものでした。
そして翌日、前場で持ち上げた後、後場で大量に先物が売り込まれ、その日の日経平均株価は暴落しました。
暴落した5月24日の動きは、前場にとどめのような買いで誘いをかけておき、後場には叩き落とすという感じでした。
当時の先物の売買手口(23日、24日の記録)から、後場に一斉に先物を売ったのは、外国系証券会社でした。
国内の証券会社は、野村1社を除く全てが買い手でした。
(翌日には国内の証券会社も売り手に回ったものの、既に後手対応でした)
– 後に米国のヘッジファンドの仕掛けだったと報道がありましたが。
ちなみに、暴落の前日に、日経平均株価はファーストリティリングに対する買いだけで140円押し上げられています。
今回と2013年とでは株価の位置関係や日柄関係も異なるので、同じ現象が起きるとは言えませんが、TOPIXの動きと比較した場合、全体に買いが及んでいるとは言い難く、現段階では楽観的にトレンドフォローのスタンスは取り難いと考えます。
特殊要因の10連休前でもあることから、買い方は逆指値等で、普段以上にリスクに対する備えをしておく必要があるでしょう。
反対にTOPIXが、今の横ばい状態からブレイクアップして、200日移動平均線を上抜ける動きとなり、日経平均株価の上昇を追いかける状態になれば、実需の買いを伴って、本格的に上昇相場に移行しそうです。
さて、現在の日経平均株価は、テクニカル的に強い状態です。
25日移動平均線は、75日移動平均線に対して発散しています。
株価は上向きの25日移動平均線からやや乖離しており、上昇トレンドに乗り始めている状態です。
僅かながら下向きの200日移動平均線は、ほぼ横ばいに推移してきました。
このまま株価が横ばい、もしくは上昇が続くとすれば、応答水準の関係から、200日移動平均線は上向きに転じてきます。
そうなると、長期的な上昇相場に転じることになります。
そして、早ければ盛夏頃にはゴールデンクロス(200日、75日)します。
また、株価は発散するボリンジャーバンドの+2σに沿うように上昇しています。
ボリンジャーバンドの角度も45度と大きいので、株価の上昇は強い状態です。
一目均衡表の三役は完全に好転しており、相場い強さを示しています。
どの指標も逆転までには充分な値幅余地があります。
細かくは、基本数値をカウントしておく必要がありそうです。
また、トレンドラインの上値抵抗線、チャネルラインの上値傾向線についても、意識しておく必要があります。
但し、この時のチャートの目盛りは、値幅に対して等間隔の標準のスケールと、対数で表示されるログスケールの両方を見ます。
どちらが意識されるかは分かりませんが、日経平均株価の場合、上記の表示期間であれば、さほど違いを感じませんが、トレンドが出ている時や、長期間で鳥瞰する場合は、ライン位置に差が生じてきます。
そのような場合には、ログスケールのラインの方が良いです。
ログスケールをメインにしながらも、標準空けるも確認する方が良いでしょう。
さて、まだ強さを見せていないTOPIXですが、17日に高値を僅かに更新したことにより、新たなトレンドラインが出現し、12月安値からアセンディングトライアングルを形成しています。
ボリンジャーバンドも発散方向になっています。
日経平均株価だけが独走する相場が、実需を伴った本格的な上昇相場へと転換する契機として、まずはTOPIXの200日移動平均線抜けを確認しておきたいところです。
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