日経平均株価は強弱の狭間(2018年12月2日)

過去6か月の動き

今年1月23日に24,129円の高値を付けた後、株価は3月に20,500円付近まで下落しました。

その後、リバウンドしたものの保ち合い相場が続きます。
この動きが、後の9月からの上昇に大きく影響することになります。

高値は23,000円を上限とする水平ライン、安値は徐々に切り上げるアセンディングトライアングル(上昇三角形)が形成されました。

アセンディングトライアングルは上昇トレンドの「中休み」として現れるコンティニュエーションフォーメーションの一つです。
特にこのアセンディングトライングルは「強気のフォーメーション」とも呼ばれ、将来の再上昇を示唆します。

その期間は3月末から再び上昇が始まる9月中旬までの約6か月間。
2016年から24か月間上昇し続け、過熱した株価の冷却期間としては、6か月はテクニカル分析上で非常に妥当な期間と言えます。

そして、9月14日にトライアングルをブレイクアップし再上昇となりました。

しかし、10月に入り株価は急落し、ボラティリティを伴いながら上昇下降しながら現在に至っています。

上限にポイントが散在

◎ 株価の動き
10月高値から急落した株価は、10月26日に下ヒゲを残して21,000円付近で下げ止まりました。

その後、一旦戻してリバウンドしたものの、再び下降して11月21日に安値21,243円から反発して現在に至ります。

10月26日安値が一番底、11月21日安値を二番底と現時点では暫定的に判断します。

本日11月30日の株価はこの間の戻り高値22,583円をまだ上回っていませんので、現在の値動きはダブルボトム形成途中ということになります。

◎ 移動平均線の動き
移動平均線は複数線分析で行い、使用する移動平均線は25日、75日、200日の3本です。

11月30日引け後の移動平均線は、上から75日、200日、25日の順で「移動平均線と株価の分位別株価」の関係では、短期的には底打ち、長期的にはピークアウトとなり、今後の方向感はまだ明確ではありません。

ただ、先週から株価が上昇したことにより、3線ともに上向きの角度に転じてきましたので、再び上昇トレンドとなる兆しがあります。

◎ライン系
大きく影響しそうなラインは出現していません。
ただ、11月21日の二番底を起点とする短期上昇トレンドラインが引けます。

本日はこのトレンドラインを割り込みましたので、今後レジスタンスとなりそうです。

◎ 一目均衡表

株価は雲の下に位置しています。
先行スパン1が現在価格の200円ほど上にありますので、今後レジスタンスとして機能する可能性があります。

遅行線は29日に好転しています。

転換線は基準線を上抜けてはいますが、基準線が横ばいのままなので好転には至っていません。

今後の動き

ここまでの株価の推移、現状を踏まえて今後想定される動きです。

現在の株価の上には75日移動平均線、そして11月8日の戻り高値がレジスタンスレベルラインとして位置しています。

◎ 上昇目線
一番底、二番底を暫定的に確認しています。

今後、75日移動平均線と節目の22,500円を上抜け、11月8日高値のレジスタンスレベルラインを抜けるとダブルボトムが成立します。

ダウ理論的にはフェイラースイング・ボトムとなり買いシグナルとなります。

また、現在がエリオット波動の2018年9月までのインパルスウェーブ(衝撃波)に対するコレクティブウェーブ(修正波)と見るならば、
フラットコレクションの強気相場のフラット変形と見ることも出来ますが、これについては現時点での判断は難しく様子を見ることになります。

今後の上昇は、11月8日高値である22,580円のレジスタンスレベルラインを抜くことが出来るかどうかが重要なポイントになります。

◎ 下降目線
11月21日安値を起点とする短期の上昇トレンドを、本日割り込んでいます。

先の10月26日一番底からの短期上昇トレンドが転換した際にも、二番底を試す下への動きとなりましたので、短期的には弱くなりそうです。

今後ジグザグに推移してトライアングル、またはフラットの動きになる可能性があるので、中期的な目線で見ていく必要があります。

但し、一番底である21,000円を割り込む動きになると、大きく下げることが予測されますので、買い方はリスク管理が必須です。

上にはレジスタンスポイントが、下にはサポートポイントが散在していますので、来週も不安定な動きが続きそうです

テクニカル的に予測可能な動きが見えてくるまでは様子をみることになります。

 

<2018年12月5日、追記>

12月5日引け後の日経平均株価の日足チャートです。

11月8日高値のレジスタンスレベルラインをザラ場で抜けたものの大きく反落しています。

本日はGDで始まりましたが高値は25日移動平均線がレジスタンスになって跳ね返されています

昨日4日の高値はレジスタンスレベルラインを抜けたものの、一目均衡表の先行スパン1がレジスタンスになり跳ね返されています。

一目均衡表では、遅行線は好転、転換線は基準線とのGCで好転、加えて基準線は上向きでしたが雲抜けとはなりませんでした。

このことから、現在のチャートは10月の下落からフラットコレクションを形成しつつあるようです。
今後、拡大型フラットになるか、ランニングフラットになるか注目です。

また、ボリンジャーバンドが収束しつつありますので、もう少し収束が進むと方向感が出そうです。

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