マザーズ指数の下げ余地(2018年10月27日)
週明けからの追証売り
NYダウ、日経平均株価の急落に伴いマザーズ指数も下げが続いています。
マザーズ指数は日経平均株価の動きに合わせて過剰に反応しますので、テクニカル的なサポート、レジスタンスが機能しにくいものの、その流れは把握することはできます。
2018年1月高値から下落が続き、9月戻り高値を通過するトレンドラインを引くことが出来ます。
チャネルラインの下値傾向線の位置を確認すると、まだ下げ余地があることが分かります。
マザース市場が東証一部と異なる最も大きな特徴として、貸借銘柄が少ないことが挙げられます。
空売りが出来ず「買いのみ」しか出来ない銘柄がほとんどです。
通常、買値から、あるいはテクニカル的なロスカットポイントを割れば損切を行いますが、個人投資家比率が高い新興市場では多くの投資家がそのまま保持して塩漬けにしてしまう傾向が強くあります。
(新興市場は値動きが大きな利益が期待できるため、投機的意識からリスク管理が甘くなります)
今回の様に相場全体が大きく下げた場合、信用取引で限度額近くまで建玉を膨らませている投資家には、たちまち追証が発生します。
先週の急激な下落で25日、26日だけでも10%近い下げとなっていますので、限度近くまでレバレッジをかけていた場合には間違いなく追証がかかります。
それ自体は売買の仕組みとしてどの市場にも共通することですが、マザーズ市場には空売りをできる銘柄がほとんどありませんから、株価が急落しても「空売り決済」の買いが入りません。
週明けからは追証による強制決済、狼狽による投げ売りが出ることが予測され、セリングクライマックスを迎えるまでには、まだ数日要するでしょう。
下げ止まりの目安にボリンジャーバンド
株価が急落した場合、リバーサルフォーメーションを形成するまで安全な底を確認することはできません。
しかし、底を確認するまでにはある程度の日柄を要します。
下落の勢いが弱まわってきた兆候は、まずボリンジャーバンドで確認することが出来ます。
株価が急落(上昇も同様)している最中のボリンジャーバンド±2σのラインは、共に上下に開いた状態となっています。
下げの勢いが弱まってくると、下向きの-2σに対して、先行して上向きの+2σが下向きの収束方向に転じてきます。
これが勢いが弱まった兆候です。
リバウンドの逆張りを狙う場合、この兆候を必ず確認しておく必要があります。
チャネルラインからの反転買い???
マザーズ指数は市場全体の影響を大きく受けるので、テクニカル的なサポート、レジスタンスの信頼性は日経平均株価や先物ほど信頼性は高くはありません。
指数がチャネルラインの下値傾向線まで到達しても、更に延長となる可能性がありますから警戒が必要です。
マザーズ先物を取引する以外は各個別銘柄のチャートを確認することが重要です。
急落した個別銘柄の次の買いポイントは、グランビルの買いポイントD(急落後の反転)となりますが、底の見極めが非常に難しいことに加えて、戻り値幅が限定的なので利益確定のタイミングが掴みにくいです。
リスクの高いトレードとなりますので避けた方が無難と言えます。
短期的なトレンドラインの観点からは、下値傾向線がサポートとして機能した様に見えます。
一旦のリバウンドはあるかもしれませんが、一瞬にして割り込む可能性もありますから逆張りには高いリスクが伴います。