日経平均株価(2018年9月8日)
日経平均株価の現状分析
下図は2018年9月7日引け後の日経平均株価の日足チャートです。
まず、移動平均線の角度と株価との位置関係を確認すると、長期の移動平均線(赤色)である200日移動平均線は2016年11月より上昇に転じ、約22か月間上昇した後、昨日9月7日に僅かではありますが初めて下降に転じました。(閾値との関係はありますがシステム的には下落と認識されます)
次に中期の移動平均線である75日移動平均線(緑色)は、200日移動平均線に対して収束と発散を繰り返しながら2018年6月頃からの上昇が終わり8月頃から下降に転じています。
最後に短期の25日移動平均線(青色)は、75日移動平均線に対して細かく上昇と下降を繰り返しながら現在下降中です。
このことから現在の日経平均株価は長中期的にも下降に転じようとする正に入り口の局面であることが分かります。
また、移動平均線の分位別株価的には、下から長期線、中期線、短期線の順パターンの様相ではありますが、もしこのまま株価が下落すると一気に「逆順パターン」に逆転します。
そして、長期、中期、短期の移動平均線は互いに接近し収束しています。
このように移動平均線が収束した状態は、株価の煮詰まり感を示唆し、近く保ち合い放れの転機が訪れる兆候です。
2本の移動平均線が収束する局面は過去にも数多く発生していますが、現在の様に3線が収束、まして角度を伴わずに横ばいに推移している局面はまれなことです。
横ばいということは僅かな株価の動きだけでもその方向が変化することを意味します。
また、波動という観点から見た場合、200日移動平均線に対して株価は3段上げを達成しています。
3段上げ3段下げの法則からすると長期的に株価は高値圏に位置しているとも見られます。
このまま株価が下げれば日経平均株価は急落する可能性があります。
移動平均線が収束している局面は勢いを持って下放れする局面でもあり、買い方からすると非常に大きなリスクをはらんだ局面であるということを意識しておくことが重要です。
ここは正にグランビルの法則の売りポイントです。
売りが加速するので空売りを仕掛けるポイントとなります。
では、急落するとしたらどのタイミングなのか?
以下にフォーメーションの観点からサポート、レジスタンスを分析していきます。
ラインを引くことで上昇・下降のレジスタンス・サポートポイントをより明確に見極めることが可能となります。
株価は1月高値から4,000円近く急落し、3月にリバウンドして戻したものの、5月頃から現在まで保ち合いとなっています。
その形状は、5月高値23,050円をレジスタンスレベルラインとする水平のレジスタンスと、3月安値20,347円を起点とし8月16日安値を通過するサポートラインによる「アセンディングトライアングル」です。
主な安値は切り上がっているもののサポートライン付近に接近してきています。
来週以降、このサポートラインを割り込まず株価を維持できるかどうか注目です。
さらに長い期間で鳥瞰したチャートが下図です。
2016年6月安値を起点とするトレンドラインを確認できます。
もし、株価が上記アセンディングトライアングのサポートラインを下回った場合、このトレンドラインが次のサポートになります。
いずれにしても、現在株価は収束した3本の移動平均線を既に割り込んでいます。
今後、
① どちらかのサポートラインで止まり、再び保ち合い継続となるか
② サポートラインを割り込み下落に転じるか
あるいは、3本の移動平均線を上抜けし、
③ レジスタンスラインを突破し再上昇となるか
この3パターンが想定され来週は注目される局面となるのが必至です。
③の実現後、最終的には2018年5月21日高値から引くレジスタンスレベルライン(23,051円)を超えてくると本格的な上昇に転じると判断できます。
上昇に転じる場合は、このレジスタンスレベルラインは非常に重要な意味を持ちますので常に意識しておく必要があります。
逆に②の下降に転じた場合、サポートライン割れの場合は7月8月の安値が、トレンドライン割れの場合は3月、7月の安値がサポートレベルラインとして意識されることになります。