Ⅴ-4-3.コンティニュエーションフォーメーション
Ⅴ-4-3.コンティニュエーションフォーメーション
1.トライアングルフォーメーション
三角保ち合い: 株価が保ち合いに入った後、2つの山を結んだラインと2つの谷を結んだラインのそれぞれの延長がトライアングルを形成する。
① リバース(反転)ポイントが最低4つで、6つあれば理想的。
② トライアングルは2本の線が交差すると見られる点までに完成する。
① アセンディングトライアングル(上昇三角形型)
強気のフォーメーションと言われる。上値が一定で下値が切り上がる。
売り勢力は一定でも買い方の勢いが次第に強くなり下値が切り上がる。
最後のリバースポイント5は、必ずしもサポートラインに到達せずに反転することが多い。
② ディセンディングトライアングル(下降三角形型)
弱気のフォーメーションと言われる。下値が一定で高値が切り下がる。
買いの勢力は一定だが、次第に売り方の勢力が増して上値を切り下げる。
ポイント5で上値の重さが確認されると出来高の増加を伴ってサポートラインを一気に下回り、再び下降トレンドが開始される。
③ シンメトリカルトライアングル(対象三角形型)
上値と下値がともに切り下がり対称三角形を横向きにした形。
売り方と買い方の勢力バランスが拮抗している状態。
保ち合い後の動きは、この一時休止が起こる前のトレンドが今後の行方を左右する。
重要なポイントは、トライアングルを作る前の進行方向が、トライアングル後の進行方向を決定することである。
トライアングルフォーメーションにおけるレジスタンスライン(上値抵抗線)とサポートライン(下値支持線)は、厳密なトレンドラインと異なり、暫定的に使われる名称である。
3. トライアングルの派生フォーメーション
コンティニュエーションフォーメーションの中で比較的長い時間を要するフォーメーション。
① ブロードニングフォーメーション(逆三角形)
直前の下値や上値の抵抗点が突破されることで買い手や売り手がふるい落とされ、強気と弱気が交錯する。
天井圏で現れることが多く、一般的には弱気のパターンとされる。
② ダイヤモンドフォーメーション(ひし形)
途中まではブロードニングと一緒だが、ピークとなる4つ目の屈折ポイントを境にシンメトリカルトライアングルに変化する。
シンメトリカルトライアングルに類似した形状で、天井形成型として捉えられている。
ブロードニングフォーメーションは逆三角形であり、ダイヤモンドフォーメーションは2つの三角形を合わせた形状をしており、分類上トライアングルの派生フォーメーションと位置付けられている。
4. 短・中期のコンティニュエーションフォーメーション
コンティニュエーションとは「「継続、持続」という意味である。
トレンドが継続されているという意味で、相場においては比較的期間の長い形態を示すもの。
一般的には中・長期の保ち合い形態のことを指し、その一時休止はトレンドが反転するのではなく、あくまでトレンドが継続中にあるということ。
一方、パターンは相場では比較的短い期間における型に使われている。
中・長期のトライアングルフォーメーションと区分けし、短・中期のコンティニュエーションフォーメーションと位置付ける。
① ペナント
a. 急激な上昇や下降がある。
b. 株価の一時休止(小さな保ち合い)があり、シンメトリカルトライアングルの短期版。
c. 小休止の安値が短期急騰した上昇幅の半値以下で下げ止まる。
上昇トレンド中の上昇ペナント、下降トレンド中の下降ペナント。
② フラッグ
保ち合いの形が平行四辺形。
株価が急激な上昇をする途中で一服場面を迎えて揉み合いとなり、トレンドとは逆方向の傾斜を見せる。
上昇トレンド中の強気のフラッグ、下降トレンド中の弱気のフラッグ。
ペナントとフラッグはトレンド継続中における小休止、すなわち急激な上昇や下降の反動であり、強気や弱気トレンドのダマシの場面と理解して良い。
小休止の後にトレンドの継続が再開され保ち合いがブレイクする時、売買高が一段と膨らむ状況を見せる。
加えて、上昇トレンド継続中のペナントとフラッグのパターンは、通常1~3週間以内の短期で形成される。
反対に下降トレンドのそれらは1週間前後から2週間以内と非常に短期になることに留意したい。下げ相場は常にスピードが速いことを銘記しておかねばならない。
③ ウェッジ
クサビに似た鋭角三角形で上下どちらかに傾斜した斜行三角形である。
その完成までに1~3か月程度を要することから中期のフォーメーションに属する。
また、ウェッジ形成に入るまでのトレンドは、「急激な上昇や下降」というペナントやフラッグの構成要素を備える必要はない。
上昇トレンド中の弱気のウェッジ、下降トレンド中の強気のウェッジ。
一方、注意しておきたいのは、株価の天井や底に現れるウェッジである。
これはコンティニューエーションフォーメーションと異なり、トレンドの反転につながる前兆になる場合がある。つまり、トレンドが継続されないフォーメーションであり、むしろリバーサルフォーメーションに近い。
天底に現れるウェッジフォーメーションは、株価が十分な時間と騰落率を達成しつつある上昇や下落の末期に出現する形状である。
ウェッジフォーメーションは出現する場所によって、その意味が正反対となる場合があり、判断に注意を要する。
④ レンタングル
株価のレンタングルは保ち合いの形が傾斜のない横向きの長方形である。
フラットパターンと呼ばれることが多く、最も強いトレンドの継続を示唆する。
5. リバーサルポイント
相場の転換点を表し、短期的なフォーメーションや出来高の特徴を組み合わせて見極めることが可能。
リバーサルポイントの中で、特に「窓」=ギャップを伴った短期的なフォーメーションを「キー・リバーサルデー」と呼んでいる。
持続的な上昇の最終局面において「窓」を伴う「キー・リバーサルデー」のことを、「トップ・リバーサルデー」、逆に「ボトム・リバーサルデー」と呼んでいる。
離れ小島のようなフォーメーションを、「アイランドリバーサル」と呼び、重要なトレンド転換のシグナルとしている。