Ⅴ-3-1.モメンタム
Ⅴ-3.モメンタム分析
Ⅴ-3-1.モメンタム
モメンタムとは「勢い」、「運動量」を意味する。
分析対象の値の「変化量」を測り、過去の値の変化から将来の値の変化を推測する。この分析手法をモメンタム分析という。
前日比は1日前の価格を基準としたモメンタムで最も初期に考案されたテクニカル分析の1つである。
モメンタム=直近の値-n期前の値(nは任意)
ある値を中心として振り子のように往復運動をする(数学的には回帰するという)ものをオシレーターといい、分析結果がオシロスコープの軌跡のように表示される分析手法のことをオシレーター分析という。
さらに、モメンタムのことをモメンタム・オシレーターと呼ぶこともある。
モメンタムがプラスなら同じ期間で計算した移動平均線は上昇しており、マイナスなら下降しているといえる。
25日前の価格より当日の価格が大きければ、すなわちモメンタムが正の値ならば平均値は増加し、平均線は上向いていることになる。
遅行スパンはモメンタムの計算式を視覚的に見せている。遅行スパンが株価を上抜くということは、モメンタムが正に転じたことを意味し、25日移動平均線が上昇に転じている。
モメンタムの長所は、計算が簡単ということに尽きる。一方、短所は水準の大きく異なる価格系列間の比較には用いることができないということである。変化量が大きく、その時々の雑多な変動要素に基づくトレンドとは無関係な変動も含むからである。
モメンタムは必ずしも価格変化の傾向を表しているとはいえない。