Ⅰ-1.株価予測のアプローチについて

ファンダメンタル分析: マクロやミクロ面からとらえる。

グローバル経済や国内景気・金融などのマクロ分析に加えて、企業の成長性や財務分析などのミクロ分析まで、きわめて広範囲の調査・分析を必要とする。

その基本理念は企業の将来における利益や配当の流列を予測することである。
「株価にはしかるべき価値がある」との仮説のもとに、株価の価値はその株式を保有することによって得られる将来の配当金収入を資本還元したところに決まると考える。

株価の価値=将来の配当金額÷資本コスト

ファンダメンタル分析は株価の決定要因が多過ぎ情報や分析が必ずしも正しいとは限らない。
また問題点として、「将来予測の困難性」であり、最大の問題点は「相場の転換点を間違えることが多い」ことである

ファンダメンタルの担い手は、ピークで最も強気を予想し、ボトムで最も弱気の予測をしがちである。

1.人間は直前あるいは現在の出来事に多くの影響を受け、そのバイアスを持った目で将来を予測するから。

2.株価には先見性があり株式市場が見ている世界とファンダメンタルアナリストが見ている世界に時間的ズレがある。株価は将来のファンダメンタルを織り込んで決まるので、ファンダメンタルによる株価は「過去の株価」。

3.ファンダメンタル分析のための情報収集には多大な時間とエネルギーを必要とする。
株価の後追いとなり、収集した情報の分析が正しいとは限らないので確固たる信頼性が持てない。

 

テクニカル分析: 株価の動きそのものから将来を探る。

株価の形成はすべての市場参加者の集合的結果であり、人間の価値観、行動、心理学の法則に支配をされていると考える。つまり、過去の値動きは将来の指針として有効であるというのがテクニカル分析の立場である。

1.タイミング判断のツールとして有効である。

2.マネジメントツール(リスク管理)として現実的なストップオーダーを決定するのに有効である。

3.ファンダメンタル分析にかかる時間の省略を可能とし、ファンダメンタルよりも先行性がある。

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