Ⅴ-5-8.市場OBV
Ⅴ-5-8.市場OBV
日経平均株価などの株価指数における個々の銘柄のOBVが、下降トレンドの時、株価指数より小さくなり、逆に上昇トレンドの時、株価指数はより大きくなるものと期待される。
市場OBVは、個別銘柄のOBVトレンドを全部ひとまとめにしたもので、OBVが株価の前日比上昇・下降で算出されるのに対し、市場OBVは株価指数の騰落銘柄数に基準を置き、出来高を加減算して算出される。
値上がり銘柄数の方が値下がり銘柄数より多い日は、出来高をプラスとして加算、逆に値下がり銘柄数が多い日はマイナスして減算し累計していく。
すなわち、騰落株線(A-Dライン)が上がった日にはその出来高を加え、下がった日には出来高を差引くことになる。
※ 騰落株線(A-Dライン)とは、日々の値上がり銘柄数(Advance)と値下がり銘柄数(Decline)の差数を累計し線で結んだもの。
市場OBVは、OBV線の見方と基本的には同じだが、2つを併用することにより株価の基調をより的確に捉えることができる。
市場OBV、OBV線とも上昇傾向の時は、物色範囲は広く市場エネルギーも拡大している時で、株価の基調は明らかに強いと判断される。
市場OBVはOBVと比較した場合、日々、値上がり銘柄数より値下がり銘柄数が多い傾向にあるため、右肩下がりのトレンドになりやすく、短期的循環変動の中ではOBV線より市場OBVの方が早めにピークを形成する傾向がある。
また、騰落株線との関係では、市場OBVと騰落株線は乖離することがあり、相場の転換点では市場OBVが先行するとグランビルは述べている。