Ⅴ-5-5.ボリュームレシオ VR(Volume Ratio)
Ⅴ-5-5.ボリュームレシオ VR(Volume Ratio)
ボリュームレシオ: 一定期間の「株価上昇日の出来高合計」と「株価下落日の出来高合計」の割合を示したもの。
株価上昇日の出来高を「買いエネルギー」、株価下落時の出来高を「売りエネルギー」と見なし、相場の買われ過ぎや売られ過ぎの水準を推し量る。
VR=n日前の(株価上昇日の出来高合計+前日比変わらずの出来高合計の1/2)÷
((株価下落日の出来高合計+前日比変わらずの出来高合計の1/2)×100
一般的な一定期間のn日は25日を使用。
① 算出期間を視野に入れた観察が必要
「出来高は株価に先行する」。
移動算出期間を視野に入れてピーク・ボトム相対的に比較しなければならない。
② 株価の低迷局面や下降局面では使いにくい
上昇局面でその有効性を発揮する。株価は低迷する時は出来高の変化に乏しいことや、セリングクライマックスのような異常な数値が出現するからである。低位から動意をはらむ時などはとりわけ大きく振れるからである。
③ 流動性の低い「中小型株」よりも流動性の高い「大型株」で使いやすい
流動性の高い大型株はVRが比較的に滑らかな推移をたどる。一方、流動性の低い中小型株はVRが大きく上振れすることがあり読みにくい。
④ 株価の騰落率は反映されていない
VRの計算上では前日比+1円でも加算されてしまう。株価の騰落率は反映されていないため、上昇相場ではVRが高止まる局面や、下落相場ではVRが低調な状態が続く局面も見られる。
以上のことから、VRのみでの売買は慎重に判断したい。
相場環境に応じてトレンド系指標から上昇・下降の強弱感、オシレーター系指標から過熱・沈静を探るなどの複眼的なアプローチが大切といえる。