日経平均株価は長期サポートラインのブレイクに警戒(2019年8月30日)
<2019年9月5日、追記>
・2019年9月5日引け後の日経平均株価の日足チャートです。
レンジ上限をブレイクアウトして大幅な上昇となりました。
上昇の兆候は昨夜の日経225先物がレンジ上限を上抜く兆しが見えたことに加え、8:45の寄り付きでGUしたことに起因します。
日経平均株価はその影響を受けてGUして寄り付いたことで、空売りの買戻しが進み、順次ストップロスを巻き込んだことにより、節目として意識されやすい21,000円と75MAをあっさりと突き抜ける大陽線となりました。
下落時にはシステムによる過剰な反応で下落が加速する傾向があるのと同様に、本日の上昇には過剰な買戻し感があります。
(昨日のコールオプションの様子からも本日の上昇には過剰感があるため、以降のオプション推移には注目する必要がありそうです)
今後、まずはこれまでのレンジ上限や25MAが押した際の下値メドになりそうですが、元のレンジ付近まで押してくるのか、今日の陽線を踏み台にして75MAと200MA付近の新たな水準で揉み合う動きになるのかが注目のポイントです。
なお、8月の下落時に大きく発散したボリンジャーバンドが、急速に収束していて急角度の+2σが本日の高値を抑える指標として作用しています。
一目均衡表を絡めて考えるならば、一旦リバウンドの下落を経て、雲下の水準から遅行スパンを睨みながら動く方が望ましいです。
<2019年9月4日、22:30、追記>
22:30現在の追記です。
日経225先物は夜間に入り日中の斜めのチャネルラインをブレイクアップしてフラットフォーメーションに移行しています。
通常、チャネルラインは明確な動きが確認できた時点で多くの場合、その機能は失われます。
先手必勝の指標です。
夜間先物の高値は20,790円で8月9日、9月2日の高値と全く同値となっています。
このレンジ上限はレジスタンスとしてかなり強く意識されてると考えられます。
上方ブレイクした場合にはかなり揉み合うと予想されますが、買い方優勢となった場合には踏み上げを伴い21,000円付近を目指す可能性があります。
下方ブレイクした場合にはレンジ内での推移の継続となります。
<2019年9月4日、追記>
・2019年9月4日引け後の日経平均株価の日足チャートです。
株価は依然としてレンジ内の推移にとどまっています。
25MAがレンジ上限よりも下の水準に降りてきていることから、現在は25MAがレジスタンスとして大きく意識されています。
日経平均株価は前場は25MAがレジスタンスとなる重い展開でしたが、後場に25MAを上抜けると同時に一転して吹き上がる動きとなりました。
その後押し返され、本日は再び25MAを割り込んで引けています。
・この動きは日経平均株価を主導する日経225先物の動きに影響を受けています。
以下は、日経225先物(通し)の5分足チャートです。
本日の動きに影響を与えた指標はチャネルラインです。
本日早朝4:50の高値と10:55高値を結ぶハイアーチャネルラインをベースにして、12:40の安値はロワーチャネルラインに達したところで反発しました。
このことからチャネルラインが今の動きを支配していると考えることができ、反転した高値メドはハイアーチャネルラインに達する水準であるとこの時点で予測できます。
そして、14:00にハイアーチャネルラインに到達したことで上昇はストップし、高値が確定して反落する動きになっています。
日経225先物を売買するのであれば、指値20,690円、もしくは1ティック下の価格で売り建てる戦略となります。
(ダマシになった場合の対処は当然想定した上で)
この動きに影響を受けて日経平均株価は25MAを上抜けたものの、再び押し返される動きになりました。
これが本日の日本市場のテクニカル的な値動きです。
さて、今時点では本日の夜間先物の取引はまだ始まっていませんが、恐らくこのチャネルラインはもう機能しないと想定されますので、先物を売買するのであれば次に注目される指標、またはフォメーションを想定しておくことになります。
<2019年9月2日、追記>
・2019年9月2日引け後の日経平均株価の日足チャートです。
本日もレンジ内で株価は推移しています。
8月9日高値がレンジの上限となりますが、25MAがその水準よりも下に降りてきています。
そのため、目先は25MAが強いレジスタンスになりますので、更に上値は押さえられることになります。
さて、以下のチャートは先週土曜日の朝に引けた日経225先物の日足チャートです。
8月9日高値20,790円に対して8月30日土曜日の高値は同値で止められています。
日経225先物が先行してレンジ上限に到達したことで、一定のレンジ内の動きに達成感が見られ、本日の先物および日経平均株価は押される動きになったと考えられます。
(逆に言うとレンジをブレイクするほどの勢いがなかった)
ここから、反発しレンジ上限を抜けて来るのか、再び源氏下限付近まで下げるのかは外部要因が大きく影響しそうなので、現時点では予測が難しい状況です。
いずれにしても、下に記載した長期のサポートラインを割り込んで下落の兆候を見せるか、上方ブレイクして21,000円を目指す動きになるか日柄を見ながら注目していくことになります。
目先の戻りは重い展開に
・2019年8月30日引け後の日経平均株価の日足チャートです。
現在のところ株価は8月6日急落時の安値20,110円を下限に、リバウンド高値である8月9日の20,782円を上限としたレンジ内で推移しています。
フォーメーションの観点からはフラットフォーメーションです。
外的要因として米中貿易摩擦や逆イールドなどが影響しているものの、テクニカル的にはレンジ内での出来事であり、株価がレンジ内で推移している限りは外敵要因による乱高下はブレとして捉えます。
リスク管理としてストップオーダーさえ決めておく前提であれば、逆張り戦略が有効な場面です。
・移動平均線から見た相場の方向性は、200MAが下向きの長期下降相場、75MAも下向きの中期下降相場、25MAも急角度で下を向いている短期下降相場と定義され、株価は3本の移動平均線の下に位置していますので、株価と移動平均線平均線の位置関係から、現状は完全な「下降トレンド」になります。
今後、応答水準との関係から25MAの下げ角度は来週は更に急になります。
株価が今の水準付近を推移するならば、おおよそ来週一杯くらいは下降し続け、再来週付近から横ばいに転じてくると予測されます。
・現在、下降してきた25MAはレンジ上限まで降りてきており、週明けには25MAがレンジ上限を割り込むことから、まずは25MAがレジスタンスとなり上値は抑えられやすくなります。
株価は25MAとレンジ上限付近で戻り売りが出やすく揉み合うと考えられます。
・また、短期的目線のフォーメーションでは8月6日を一番底、8月26日を二番底とするダブルボトムを形成しつつ、8月9日高値20,782円を株価が上抜けて来るとダブルボトムの成立となり、目先の反発が期待されますが、せいぜい75MA付近まで、強くても200MA付近までしか戻らないと思われますので素直にトレンドを狙うことは難しいと思われます。
逆に買いタイミングにある個別銘柄の場合は、短期的ではありますが値幅を狙える可能性がありそうです。
事前のスクリーニングと売買ポイントの見極め、期を逃さない売買タイミングが収益を大きくすることになります。
・さて、前回の投稿にも記載しましたが、一目均衡表の観点から見ると三役はすべて逆転しています。
抵抗帯は21,000円よりも少し高い水準に位置していて、そこまでの上昇余地はあると思われます。
8日後(営業日)には雲がネジレて抵抗帯が下がってきますが、8日~12日後付近は抵抗帯も薄く上抜けやすい局面を迎えます。
また、遅行スパンも株価から離れていますが、同じく7日後にはろうそく足にかかってきます。
そして、現在は横ばいの基準線は7日後からは下向きに転じ、遅行スパンがろうそく足にかかる頃には再び横ばいに戻りそうです。
今後、株価が下方ブレイクせずにレンジ内を推移し、8日後付近に上方ブレイクしていけば遅行スパンが好転し、抵抗帯も上抜けて好転する可能性が出てきます。
加えて、転換線も好転することになるので一気に三役が好転します。
価格水準では8月の下落以前は21,000円付近がサポートとして意識されていて、崩れる前に一度下げ止まった8月2日安値20,960円は、抵抗帯上限である先行スパン2の20,966円と同水準であることから、ここが一つの大きな節目になると考えられます。
このようにある時に意識されていた価格が、将来の抵抗帯の上限や下限と価格が一致する現象は、個別銘柄においても良く見受けられます。(それを見据えて抵抗帯を基準に高値安値が決まるケースもあるように思います)
以上のことから、一目均衡表の観点からこのままレンジ内の動きが続くならば8日後付近の動きには注目です。
・本日、パラボリックのSRAが好転しました。
株価と移動平均線の方向と位置関係を鑑みると、指標的には買いですが数日間はゆらぎも含めて様子を見ることになります。
・ボリンジャーバンドは-2σが収束方向に転移てきましたが、まだ大きく発散した状態です。
エンベロープは下降角度が大きく、25MAが横ばいになるまでは逆張り戦略には不適です。
再来週付近から横ばいになってきますので、その頃に-10%まで急落する局面があれば逆張りは有効かもしれません。
・一方、レンジ下限を割り込む動きになった場合、昨年末の急落で付けた安値の19,000円付近まで下落する可能性がありますが、その兆候として2016年6月24日安値を起点としたサポートラインの存在がヒントになります。
2018年12月26日安値を通過する長期のサポートラインを引くと、二番底となった8月26日安値はこのラインに支えられている様子が伺えます。
今後、このサポートラインを割り込むと警戒が必要になってきます。
このラインは日々上昇し株価に接近していきますので、徐々に下値余地が少なくなっていきます。
仮にレンジを上方ブレイクしても、サポートラインはずっと切り上げながら追いかけてきますので、よほど想定以上に過大な上昇に転じ株価がサポートラインから遠ざからない限り、いずれ上値抵抗となる75MAや200MA付近に近接し、株価が割り込むと大幅な下落を引き起こす契機になると考えられます。
但し、サポートライン割れがダマシになる可能性もありますので、直近ではレンジ下限がサポートとなるのでレンジ下限のブレイクを確認する必要があります。
上方ブレイクして75MAや200MA付近まで上昇した場合には、別途ダマシを回避する適切なポイントを探すことになります。
いずれにしても、目先に楽観的な上昇があったとしても、下優勢の相場であることには変わりませんので十分な注意が必要です。
マザーズ指数
・同様に引け後のマザーズ指数の日足チャートです。
株価の波動的な位置は、日経平均株価と比較すると2018年1月をピークに、およそ20か月の下落が続いて2016年の安値付近に近い位置まで下げています。
8月上旬に収束した移動平均線と昨年12月安値を起点としたサポートラインとが重なる付近を、下にブレイクしましたが、昨日チャネルラインのロワーチャネルラインで下げ止まり本日は反発しています。
ハイアーチャネルラインは移動平均線と同じ水準になるので、この付近では戻り売りが多く上値は重いと考えられます。
ただ、200MAと75MAの下げ角度が緩やかになってきていますので、収束した付近から200MAを上抜ける動きになれば上昇トレンドに乗る可能性も出てきそうです。